ハゲの幕開け

作者 古川 奏

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★★★ Excellent!!!

 言葉を駆使し、自分の運命を受け入れる男の頭と姿がまぶしかったです。抽象的なことがらや難解な物事を理解するために多彩な語彙を使うことは当然有効ですが、読者に勇気を与えられるかどうかは書き手の情熱とセンスにかかっています。笑いながら、胸が熱くなりました。
 とても、とても面白かったです。読んでよかったです。

★★★ Excellent!!!

 私は、この作品を読み、ハゲについて感動し、励まされた。将来、夫がハゲた際には「大丈夫だ。君は進化しているんだよ」と、彼に伝えようと決めている。

 加齢。それは避けて通れないもの。我々人間は常に加齢と戦う。けれど、それは、本当に戦うべき相手なのであろうか? 私は疑わしいと思う。

 加齢と戦っている動物も、植物も見たことがない。もっと広い大きな流れ、視点からみれば、加齢は、進化とも取れるかもしれない。

 主人公内藤は、ハゲてきたことを認めた。

 その認めるという行為に至るまで、人間は、顕在意識、また潜在意識からも影響されているから感情が渦巻く。その渦巻く感情に翻弄されている思考を、言葉に変換し、表現するのは難しい。

 けれど、作者・古川奏さまは、それを拾い上げる。とても正確に。そして、ユーモアたっぷりに表現する。私は、いつもそれに驚いてしまう。

 読み終えるとき、きっと、素晴らしい何かが、心の幕を開けます。加齢と共に、前進するための勇気になります。

 ぜひ、御一読を。

 それにしても、私は作品の主人公、内藤さんに興味津々である。内藤さんの一日は、きっと悟りの一日に違いない。

 内藤さんのハゲとその悟りに感謝の意を込めて。

★★★ Excellent!!!

ハゲは生きている証拠だ。
その頭の皮膚の深い所で進行する生命の盛衰。

内藤はそれをくまなく分析し、切り開いた。
ハゲを受け入れることで生まれる新たな境地。

切り開かれているのが頭皮なのか、それが逃避なのか良く分からないまま。
進化しているといいながらも、後退する生え際。
時代によって変化する、ハゲへの風評。

内藤は、それらをすべて咀嚼した。
飲み込んだ先にあるのは新しい世界。

全ての視点が変わるかもしれない。
世界を変えるハゲの洞察。

人生は、素晴らしい。

★★★ Excellent!!!

作品を読ませていただくたびに感じるのですが、本当にこの作者さまは目の付け所がいいと言いますか、ハゲ1つでここまで壮大な物語を生み出すことができるというのは紛れもない才能だと思います。

己のハゲを前向きにとらえ、ハゲとともに新しい朝を迎えた斎藤。彼の潔さ、そして深すぎる考察に乾杯。斎藤の未来に幸あれ。