第2話 見つかれば5那由他ギメロンパッソ

デミオロを通じてフォピジョと市脱出計画をたてる約束を交わしたキデ。コチソチに向かうべく良い案をフォピジョと模索していく。


近くのグマラガ(Tシャツの袖に匂いをつける店)で会うことを約束したが、どうにも落ち着かない、なんなんだろうか、イキメチコ(タッチパネルが45個搭載された2tトラック型の携帯)を確認しても思い当たる節はない。昼食は一昨日済ませたしなんら引っかかることはなさそうだ、だが、何かおかしい、わかったぞ、この前フォピジョに渡された写真に移っているのは45万男坊じゃない146万男坊だ。以前一度だけ見たことがある、目はキリッとしていて、まるでヌンボィ(パンを切るための精密チェーンソー)でカットされたようだ。名前はヒジョヴォX(イクシー)というらしい。今日は彼も同伴するといわれた。

3オウンピ(80時間)後に彼は来た。グマラガは閉店してしまった。結局、外で計画をたてる羽目になったが、おいしいギヒディ(プニプニのパンをカチカチのパンで挟んだソジ県の郷土料理)を奢ってもらったので気にすることはやめた。話は本題に移りヒジョヴォXが計画をたててきてくれたらしい。その内容はモリプニアキ市北端にあるヒモンチョ市境兼国境検問所をブリータ(夢を追いかける子供たちを立体的に映し出す装置)を用いて潜り抜けようというものだ。具体的に言えば検問所にいるケリミン合衆帝国軍の兵士を子供たちで欺き、その間に検問所を通るということだ。幸いヒモンチョ検問所はジソ484年に建てられた物で現在普及しているフォモニ装置(生体反応を認識し友達になろうとしてくる装置)は搭載されていないので、話しかけられる心配はない作戦が成功すれば晴れてコチソチ国民であるというわけだ。

作戦は早々ときまり夜が明ける頃には実行すると決まった。ブリータもユムムムダイノン社製の最新のものが用いられる。ヒジョヴォXがユムムムダイノンで働いているからこそ用意できたものだ。その性能は凄まじく最低1人、最大で500万人もの夢を追いかける子どもを空気に映し出すことができる。とはいえフォピジョの家族は4000万人、見つからずに行けるのか不安になっているのも確かだ、しかし考えてていても始まらない、フォピジョは既に家族全員を呼びパーティを開いていた。あと5分で作戦の時間なのに、流石は超底辺大学を最底辺で卒業しただけある、いまだにキューニ(赤ん坊用の計算問題)をフライパンにしてゥムイ(ホットケーキをより焦がしたもの)を作るだけある。フォピジョに時間だと伝えるとオニウェッツ(5輪のバイク)に跨って大爆笑し始めた、自由への期待であろうギメロンパッソをばら撒きたい放題している。

いよいよ始まる。検問所までは6ピネア(1ピネア97.7m)まで近づいた、ブリータも15台用意したので最大で7500万人もの子供たちを映し出すことができる、作戦決行のときブリータを検問所の近くに放った。兵士はいい感じに騙されている様子だ、一緒に夢を追いかけている。しょうもない奴らだ。だが傍観している暇は俺とフォピジョの家族は検問所になだれ込んだ、急いでいて気づかなかったが、兵士は大量の夢を追いかける子供を追いかけ検問所からおおよそ15ピネアほど離れていた、バカな奴らだフォピジョには及ばないがな。

そんなこんなで検問所を抜けコチソチに到達した、検問所の方から夢を追いかける声が聞こえる。フォピジョとその家族は大喜びでパーティの準備をしている。今日の朝食は恐らく大量のゥムイだろう。

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コチソチ開拓伝 テミテミ コプチ @lunatalk

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