第4話 本当に滑舌悪いひとは滑舌って言えないらしいよ

「暇だな……」


「いや、魔王様には沢山仕事があるじゃないですか。……まあ、ここ最近これといった争いもありませんしね……」


「それはいいことなのだが……なあ、クレセリアよ。10回ピザと言ってみてはくれないか?」


「何ですか突然。まあいいですけど……ピザ、ピザ、ピザ、……」


「違う。もっと速くだ。ピザピザピザ……こういう風に頼む。」


「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ……言いましたけど、これが何か?」


「フフフ……じゃあ、ここはどこだ?」


「ひざで……あっ!」


「フフフフフ…………フハハハハハハ!!!かかったなクレセリアよ!ここはひじだ!」


「じゃあ魔王様、これ言えますか?魔術師魔術修行中はいどうぞ。」


「いいだろう。……まじゅちゅjちbまずゅちゅtしゅびょうちゅう!どうだッ!」


「全然言えてませんね。清々しいほどに。」


「ン何故だッ!まずゅつし…まずつち…まずっ……あああッ!無理だッ!!!逆に、なぜお前はそんなにスラスラと言えるのだ!おかしくないか!?」


「まあそりゃあ秘書ですから。あ、これ第1、第2、第3、第4警備隊の活動報告と、ハイドさんの始末書と、…ハイドさんの始末書と、ハイドさんの始末書です。あっ、もう1枚ありました。……ハイドさんの始末書です。」


「あいつはどれだけ問題を起こせば気が済むのだ一体。今までの始末書も合わせれば魔導書一冊分くらいにはなるのではないか?」


「……捕虜とかに複製させて図書室に置きますか?」


「いや、いい……」


 ところで皆様は覚えているだろうか。ハイドさんのことを。覚えていないという方は、ぜひ2話を読み直していただきたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔王の秘書って結構大変なんだよ?分かる?分かんないでしょ? 宇智田あこ @hamu3254alot

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ