第3話 あーもう、また転生者?ハァ…どうせチート持ちで、黒髪で、爽やかで、パーティーに亜人とかいるんだろ?ワンパターンなんだよいつも……

「報告します!始まりの街にとてつもない力を持った者が現れた模様です!既に偵察隊を向かわせておりますが、いかがいたしますか?」


「あー、うん。よりによって魔王様が外出されているときに現れるとはな。えっと、それアレだな。まず偵察隊は引っ込めろ。相当潜伏スキルを上げていない限りは、どうせ謎の索敵スキル、”そこに居るんだろ?出て来いよ”で尾行はバレる。確か、魔王軍にも数人人間が居たよな?その中からテレポートが使える奴を1人派遣しろ。最も人間味がある奴な。あと、出来れば女がいいな。それも若くて容姿が整ってる奴。現れたのが数時間前ならまだ仲間は多くて1人ってとこだ。そいつをパーティーに潜入させる。……あー、だったら亜人のほうが便利だな。奴らは何故か虐められている亜人を助けたがる傾向にある。幼い女の亜人……人間ベースな?そいつを他の魔王軍所属の人間2人くらいに路地裏で虐めさせよう。そうすればいい感じで助けに来るはずだ。幸い、うちら魔王軍との争いで人間の間では獣人・亜人差別が蔓延している。え?路地裏だと気づかれないんじゃないかって?いや、これがまた気づくんだよ。仲間からの好意には気づかないくせにな。そして助けてもらったら大体行く場所がないとか両親が人間に殺されたとか言っておけば晴れて仲間入りだ。そしてその後ここ魔王城を転送先に設定したテレポートをブチかませば、後は簡単だ。魔王様直々にぶちのめすもよし、数の暴力で細切れにするもよし。だが、相手は恐らくチート持ちだ。くれぐれも油断することの無いように。」


「なんでそんなに詳しいんですか?」


「いつもワンパターンだからだ。人間はこれを【テンプレ】と呼ぶらしい。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る