紹介
「あんた、いつもいつもそうやって私のことを困らせるわけ?」
「別に困らせるつもりはなかったんだ、そう怒らないでくれよ」
「あのう…二人とも喧嘩は…」
「「アルファは黙ってて」」
「はい…」
また、別のところでは。
「王手でござる」
「ぬああ!! まずいのじゃ!まずいのじゃ!」
「ふはは! これでそれがしの五十九勝でござるな」
「あ! あそこに金髪の幼女が!!」
「なんですとおおお!!! どこでござるか?どこでござるか?」
「アロマ殿?」
「なんじゃ」
「変えたでござろう?」
「…」
なんだこれは?
一方では離婚寸前の夫婦みたいだし、もう片方では滑稽な老夫婦みたいな会話になってるし。
一言で表せば混沌(カオス)だろう。
その光景に俺は立ち尽くすばかりだ。
「お、来たね! 新人君!! 歓迎するよ」
俺はええと、確かリークだっけか?と思い、リークを上から下へと見た。
リークは背が小さく、髪の毛は赤黒いが一束だけ紫色の髪の毛があり、優しくはっきりした顔立ちをしている。
黒ローブはもうすでに脱いでいるが、黒いくさびかたびらを着ながら、腰にダガーを帯刀していた。
いや、戦闘中じゃないんだから、少しぐらいくつろいだっていいじゃないかと思ってしまう。
「よろしくな」
俺は何か言った方がいいかなと思い、適当な挨拶をする。
「名前なんて言ったんだっけ?」
人の名前ぐらい覚えとけって…そうだ。
そういえば名前言ってないんだっけ?
「カミカジだよ 」
「そっか、それじゃあ改めて紹介すると、僕の名前はリークで、あの白髪で眼帯を着けてる子がアルファ」
リークは白髪の女の子を指すと。
「よろしく…お願いします」
と白髪の女の子はたどたどしくありながらも丁寧にお辞儀をする。
白髪の女の子の背は低く、見るに14歳ぐらいの女の子だろうか。 顔に左目は黒い瞳を宿し、右目は黒い布で覆って後ろで縛っている。
「あと東洋出身の『サムライ? 』の格好してるのがハク」
「よろしくでござる」
その『サムライ?』は上にはくすんだ青緑色の着物を着ており、下には紺の袴をはいていた。
明るい緑色の長い髪を一つの紐のようにして縛っており、腰のあたりまでその紐が届いていた。
狐のような細い瞳は光沢を帯びたライトグリーン。
そして、身長は180センチメートルはある。
「それで黒いゴスロリを着てるのがアロマさんだ」
「よろしくなのじゃ」
少女なのだろうか、見た目は少女だが口調がどうにも老人くさくて違和感がある。
黒いベールから覗かせれるのは漆黒の瞳。
まるで喪服のようにみえる服装とは裏腹に、先ほどの少女からその陰湿さを吹き飛ばすほどの明るさを持っているように見えた。
「そして最後の一人がーー 」
「しなくていいわよ」
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