メイラスと⚫️⚫️⚫️

「wks《ウィクス》」

wが槍はk雷もってs滅すと、メイラスは刹那のうちに詠唱した瞬間に、黒いローブを被った女の真ん中に風穴が空いていた。

「ゴハッ! 」

血反吐を吐く黒いローブの女。

赤黒い反吐が赤い絨毯を黒く染める。

「あなたも『神速』という名ぐらい聞いたことがあるでしょう? 」

神速ーー 神を超える詠唱速度を持つと言われ名付けられた称号であり、彼女より詠唱速度が速い人間はこの国にはいない。いや、世界でさえいないかもしれない。

「ええ、知ってるわよ、そんなこと」

口から血が垂れ、死にそうになっている女はまるで勝利を確信したような笑みを浮かべる。

風穴が空いた部分から肉が再生していく。

いや、それはもう再生とは言わない。

それはもう変化に近い。

「何ですか? これは… 」

あの冷静沈着なメイラスでさえ呆然としている。

「あア、イシキがモウロウとシテきた」

盛り上がった肉がローブを包み込み、もはや人の原型はない、肉の塊と呼んでもいい。

「まさか、あなた…魔獣の血を? 」

「アア、アトハヨロシクネ、アア、ヤット、シネル」

そう言った途端に、肉塊から至る所に指や足などの体一部を生やした腕が生えてきてメイラスを攻撃する。

「どうして、どうしてだ!!! 」

メイラスはなぜそんな簡単に命を捨てられるんだと、嘆いていた。

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