第4章 少年は己の天命を知らず
お兄ちゃん!
俺の名前はカミカジ、異世界転移者である。
今、目を覚まして知らない白いベッドから起き上がる。
目に映る家具は左手の届くところにある小さな棚だけだった。
壁はどうやら鉄で出来ているらしく所々が錆びて古めかしい。
左の壁に鉄扉があって、下は木目がついた木の床だった。
何もない部屋に空虚な感覚を覚えたので、気だるい体を無理やり起こして、ベッドから足を下ろし、立ち上がり背伸びをしてから、テクテクと歩き出して鉄扉を開けば、二つに通路が別れているので、適当に左の通路を進んだ。
俺はあとで左の通路に行ったことを深く悔いるようになる。
錆びくさい通路を渡れば、また鉄扉が見えたので扉を開けば、飛行機のコックピットのような場所に出た。
そこで俺は初めてここが飛行機の中だと気づく。
正確には知らんが多分そうだ。
「ねえねえ、お兄ちゃん! 」
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