アンデルセン=ヘラクレナ(九)
何をしてくれてるんだ、君は!!!
弾丸の方向は少女とはまるで違う方向に撃たれていた。
はっきり言って賭けるべきじゃなかった、と心の中で後悔してももう遅い。
僕は一瞬だけ彼の顔を見た。
笑っていた。
しかも目は死んでない。その少年の瞳はメラメラと燃え滾っているように弾丸を見ていたのだ。
なんだ、その笑みは? まるで勝利を確信したみたいじゃないか。
その顔を見て僕は思う。
いいんだな? 賭けていいんだな? 信じていいんだな?
そう思った刹那のことである。
「曲がれ」
彼が言った途端、弾道が急激に婉曲していき、少女の左肩を貫いた。
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