٭❀*異世界観察 編

∫1話 転生完了!

  1.異世界に到着!そして新たなる家族との出会い

2月14日。フルーティア神聖界に、可愛らしい産声が響き渡った。

「おめでとうございます、レモンマートル様!可愛い女の子ですよ!」

そう聞こえたと思うと、私は知らない女性に抱かれて、レモンマートル(?)とか言う女性に撫でられた。

この状況が何日か続き、3日程だったある日、突然扉が開けられ、人がたくさん入ってきた。

あ、あれ?何故か知らない人たちに囲まれてるんだけど…。と、とりあえず、記憶を呼び戻そう。私、転生道転生道ライフ・ロードで乱気流に耐えきれなくて気絶しちゃったんだよね。OK、そこまでは覚えてる。で、その後どうしたんだっけ?…ダメだ、どうしてもそこだけが思い出せないや。まあなんにせよ、私はレモンマートルっていう人がお母さんで、異世界の子供として産まれたって事なのかな…。うん、多分そうだ!絶対そうだ!!

「まぁ可愛い‼この子が私の妹なのね!」

えーっと、お姉ちゃん…かな?すごい美人!!

「ローズマリーお姉様、僕も妹抱っこしたいですよ。変わってください!」

へぇ、ローズマリーって言うんだ。それにお姉様って…この家族は、身分が高いみたいだね。この部屋の中でもメイドさんらしき人が15人居るし。

「うわぁ、とっても可愛いですね!とても僕の妹とは思えません!」

「あら、ステビアったら、妹ができて余程嬉しいのね!ほら、タイムも見てごらん!」

お母様ナイス!ステビアお兄様とタイムお兄様ね。ステビアお兄様、初対面なのに、何故か安心するわ。優しそうで良かった。タイムお兄様は、なんかやんちゃそうだね。腕に絆創膏してあるし…。

そういえば、あと3人居るみたい。その子達は、なんて言う名前なんだろう?見た目は10才か11才くらいかな?

お姉様達は、2時間くらいで自分の部屋に帰ってしまったから、結局3人のお兄様の名前はわからなかった。ま、まあ、そのうち分かるだろうし、ちょっとモヤモヤするけど、我慢しよう!

2.異世界最初の食事、『離乳食』

転生してからはや1年!まだ地球での時間の進み方にしか慣れてないから、何時間かしか経っていないような気がする。

この世界では普通、最初の1年はお母様の母乳を飲んで、1才を越したら、頃合を見計らって離乳食に切り替えるらしい。私は昨日1才になったから、今日からいよいよ離乳食が始まる!お母様の母乳を飲む時は大変だったわ〜…。なんせ、心は19才の乙女(?)だもん!お母様の母乳を吸うのに抵抗があったよ。(まぁ、味覚は赤ちゃん同然だった事もあって、美味しかったんだけどね。)

と、言うわけで…今日から離乳食だ〜!!何が出てくるんだろう…。たまごスープとか?それとも魚のすり身とか?それとも〜…。

「お待たせ致しました、ミルフィーユ様、こちら離乳食の、『キラミと魚のすり身のスープ』でございます。」

うわぁ…予想以上に高そうなスープ。キラミってなんだろう?めっちゃ美味しそう〜…!ゴクリ…。

「ほら、ミルフィーユ、美味しいスープですよ〜」

お母様、流石!赤ちゃんは熱いの飲めないからね。

ペロッ。!!うわ、何これ!?美味しすぎる!!キラミって、たまごのことか!たまご(キラミ)のふわふわ感が絶妙だし、何より魚のすり身が美味しすぎる!!細かく切ってあるから食べやすいし。最高!

「ミルフィーユ様、こちら2品目になります、『サミラのハーブ焼き』にございます。レモンマートル様、サミラにはしっかりと火を通しましたのでご安心ください。」

サミラ?見た目はお肉っぽいけど。

ぱくっ…!あっ、これ、鶏肉だ!なるほどね、サミラって、鶏肉のことだったんだ!覚えておかないと…。それにしても本当に美味しい!ハーブが香ってるし。私の味覚が正しければ…バジルとブラックペッパー、そしてレモングラスかしらね。バジルとかも、呼び方が違ったりするのかな?それは調べてみる価値がありそうね。早くノートを使える日が来ないかなぁ。そうすれば食材の名前をまとめることだって出来るのに。

ノートを使える日が来るまで、いろいろな食材の名前、覚えておこう。


3.離乳食の終了、そしてご馳走の始まり

またまたはや1年が経ちました!離乳食を始めた日から3ヶ月後、私は立てるようになった!(ちょっと遅い様な気もするけどね。)今は2才3ヶ月くらい。1才の時との大きな違いは、喋れるようになったことね。最近やっと会話が出来るようになったんだけど、最初は単語を並べてただけなんだよね。

ステビアお兄様が私に駆け寄ってきて、ギューッと抱きしめてくれた。やっぱり、ステビアお兄様優しい!今はステビアお兄様が大好きになっちゃった!(恋愛感情ではないけどね。)

お母様によると、ごはんが離乳食じゃなくなるらしい。あのスープの味は、どうしても忘れられない!でも、さらに美味しいご馳走を食べられるのなら、仕方ないのかな。

「可愛い僕のミール〜!お〜い!」

あ、ステビアお兄様だ!

「お兄様〜!」

は〜、落ち着くわぁ。なんて言うか、ほっとするって言うのかな。ちなみにミールって言うのは、お姉様とお兄様に呼ばれてる名前。愛称みたいなものなんだ。私も気に入ってるし、みんなも呼びやすくて良いみたい。お兄様、『可愛い僕の』なんて…。お兄様、私のこと、よっぽど好きなんだね!嬉しいんだけど、大丈夫かな?私を見ると、目がトロンとするんだよなぁ。

「ミルフィーユ様、ステビア様、朝食が出来ました。リビングへご案内致します。」

あ、ごはんが出来たみたい。リビングまでは遠いんだよね。広いし、背が小さいから歩くのに時間がかかるし。

「お兄様、その…おてて繋いでもいーですかぁ?」

「ミールと手を繋げるなんて〜!もちろんいいよ!」

お兄様、心の声が出ちゃってるよ。2歳の女の子らしく可愛く言うようには心がけてるけど、やっぱり、ちょっと恥ずかしいわ…。

「あら、ミルフィーユ、ステビア、あなた達とても仲がいいようね!微笑ましいわ!」

お母様、私はこんなイケメンなお兄様の妹に転生できて、幸せだよぉ〜!!

「皆様、お待たせ致しました。本日の朝食にございます。」

メイドさん達が料理を持ってきてくれた。

「こちら、フレンチトーストにございます。」

え、フレンチトースト?前世と名前が一緒…。今までは全然違うものばかりだったのに、なんでだろう?

でも、きっと後で分かるよね!いただきます!

ぱくっ。なにこれ!!おいし過ぎる!!前世ではこんな美味しいフレンチトースト、作った事無いわ!そしてなにより、離乳食が終わって初めの食事がこの味だなんて!私、幸せだぁ〜!

「あの、あなた達の料理の腕を疑っている訳では無いのだけれど。」

「レモンマートル様、何か不備がございましたでしょうか…すぐに直させていただきます!」

?このお料理、とっても美味しいのに、お母様何かあったのかな?

「不備では無くて確認なのだけれど、その…ミルフィーユは妖精命で初めて固形物を口に入れるわけじゃない?ミルフィーユのフレンチトーストは、柔らかいのよね?」妖精命エルフ・ライフ

なんだ、そういうことか。お母様ったら、心配性なんだから、、、

「ご安心下さい、レモンマートル様、我々はそこも考慮し、ミルフィーユ様のフレンチトーストには通常の2倍の卵を使用、そして、焼き加減も焦げ目が付かぬよう、焼いている面を《透視》を使って確認しながら焼いておりますので。ミルフィーユ様のフレンチトーストは、皆様のに比べ、2倍はふわふわで柔らかくなっているかと。透視スケルトン

あ、そうなの。道理でふわふわな訳ね。

「そ、そうよね!変なこと聞いてしまって、ごめんなさいね。」

「いえいえ!レモンマートル様が気にされるのも、無理ないですし、それに答えることも、我々の仕事ですから!」

うん、カッコイイ!この執事さん、 プレーンっていうお名前で、1番長くお母様のお手伝いをしているらしい。

ふう、美味しかった〜!ごちそうさまでした!あ〜、今日からずっと普通の食事かー!(離乳食のスープが美味しかったのもある)

「ミール、お兄ちゃんと一緒にお庭に行こうか!」

「そうですね、行きましょう、お兄様!」


こうして私、「御桜 莉桜」改め 、

「ミルフィーユ・ハーベスト」

の新たなる人生(妖精命)が始まったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天才シェフが転生したら、異世界でチートスキル持ちの超・天才シェフとして崇拝されました @3725mikazukimotiusagi

現在ギフトを贈ることはできません

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ