子どもの目から見た恐怖という概念そのもの

世界が自分の思っているようなものでなかったらどうしよう?
このまま家に帰れなくなったらどうなるのだろう?
そういった、子どもの時分ならではの恐怖感というものが見事に文章化された短編です。
恐ろしい悪霊や化け物、詳細なグロテスク描写、そういったわかりやすいホラー表現を使わずに、恐怖、焦燥、そして絶望へと至る描写は、読んでいて胸が締め付けられるようでした。