第44話:御殿場店の隣に2号店と父の死

 2009年7月1日に、安田達夫に健二から、連絡が入り、御殿場の店の同じ広さの土地の2年しても売れないので1500万円を1300万円に値下げするから買わないかと不動産屋から電話が入ったので、安田達夫と夢子が御殿場に行き、問題ないか確認して、次男の健二に話すと是非、もう1件レストランをつくりたいと言うので話を進め、土地は60坪、建坪率60%、容積率150%の土地を1300万円で購入した。建物は延床面積60坪、木造3階建てエレベータ付きを4300万円でお願いし、今回は高級感の出るような色合いに仕上げるように指示した。最速、どの位で、建物を作れると、聞くと3ヶ月ちょい、7月1日から工事開始で10月10日と言ったので、契約した。その後、厨房設備会社に聞くと10月10日から厨房設備工事が2週間で1千万円の条件で工事を依頼した。


 また「妻有の里」の社長に7人の若い調理師さんの派遣をお願いし、正社員2人とパートアルバイト8人を御殿場近郊で募集した。その後パートアルバイトは決定したが、正社員が決まらず、3度の面接を経て2人の30代の男性を選び、数年修行してもらい店長と副店長人として育成したいと考えた。


 2009年11月1日に高級感の雰囲気の店が完成し、厨房器具など、必要な物を平塚のテンポスに行って買いそろえ、大型商品はトラックで運んでもらう事にして11月3日に納入後、厨房で料理と施設の試運転をして問題がない事を確認した。


 11月4,5日に御殿店の従業員全員で、定休日の昼から1時間、新宿、町田、横浜で、開店のビラ配りを行い、東京から中高年が多いので送迎して欲しいという要望が多かったので9人乗りハイエースを3台、600万円で購入し2009年11月6日にオープンした。


 2009年を終えてに城ヶ島の店が2点合計、売上2.6億円、利益1.8億円、御殿場店が売上1.3億円、利益9千万円で終了し2010年を迎えた。


 2010年1月12日の朝、安田達夫の父、安田治90歳が、胸が苦しいと救急車で立川共済病院に運ばれ、午後2時に達夫と夢子が駆けつけた時、母の明美は、ただ呆然として、うなだれていた。達夫が、病室に入ってくると、抱き付いて、お父さんがと言って泣き崩れた。


 すぐに達夫が、父に声をかけると、目を開けて微笑んだが、弱々しい姿を見て、目に涙を浮かべた。少しして、父の反応が弱くなっていき、みんなの問いかけにも、反応しなくなったので、看護婦さんに連絡すると10分後、先生が来て目を見て、ご臨終ですと告げた。


 母は、突然、どうしようと、大きな声で叫んだ。その眼を見ると、焦点が定まってない、たぶん、強いショックで痴呆が悪化したのだろうと思い、先生を呼んで聞くと、介護施設に預けないと1人での生活は、難しいと言われた。


 30分位、感傷にふけっていたが、達夫は意を決したように、今後の段取りを考え始めた。メモ帳を取って、誰に父の死亡の連絡をすべき人を書き出し、葬儀社に連絡して葬儀の日程を決めること、母の介護施設への入所の件、この3つを書き入れて1つずつ解決することにした。


 最初に、来て欲しいと言うと、30分で来てくれて、病院のレストランで、葬儀の打ち合わせをして、5日後の2010年1月17日、午前10時に立川斎場が開いてるというので、申し込むことにした。

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