第38話:レストラン建設へ1

 達夫は、一度、家に戻り、8月22日に三浦半島の突端の三崎、城ヶ島を見て、久里浜から東京湾フェリーで房総に入り、富浦、館山、白浜、鴨川を見て回り、勝浦の温泉ホテルに泊まって、8月24日に家に戻った。


 続いて、8月26日に、逗子、鎌倉、江ノ島、藤沢、辻堂、茅ケ崎を見に行き、レストラン候補地を全て、見て回り、長女・峰子と次男・健二と、3人で話し合うと、湘南「逗子、鎌倉、江ノ島、藤沢、辻堂、茅ケ崎」は、レストランの競合が激しく難しい。また、房総は、交通便が、今ひとつであり、候補から、外れて、三浦半島の城ヶ島周辺と御殿場がレストランの候補地として残った。


 9月に入り、夢子と車で城ヶ島を走ってみると、レストランをオープンできそうな、高台の場所が限られている事がわかり、地元に不動産屋を訪ね、詳しく聞くと、地元の住民も高齢化が進み、出て言った人もいるはずなので、良さそうな土地を探してみましょうかと言ってくれた。


しかし、条件にピッタリという理想的な物件はないかもしれないが、候補になりそうな土地を探して、連絡すると言ってくれた。終日後、その不動産屋から、眺望の良い土地が見つかりましたが、土地の後ろ側が、コンクリートで、固めてた崖がありますので、その点は了解して下さいねと言われた。


 早速、達夫と夢子と、長女の峰子の3人が、その土地を見に出かけた。不動産屋へ行き、不動産屋の車に分乗して、その土地へ着いた。確かに、眺望は良く、草木、雑草に覆われ、古家もあったが、不動産屋さんが、整地すれば100坪以上の広さがあると言った。その後、2ケ所、見て回ったが、やはり、最初の眺望の良いところが一番、良かった。


 達夫達が、家に戻ってから、3日後の2004年の9月16日、電話が入り、あの小高い丘の上の古家付きの土地をを売っても良いと、家主から返事をもらったと、話してくれ、現状渡しで、130坪、1300万円だと教えてくれた。


 古家つきは仕方ないとしても、130坪と言っても、半分以上が、笹藪じゃないですかと言うと、そうですねと笑った。笹藪を整地する費用も高いだろうと、達夫が言い、1000万円に値引きするか、または、笹藪を全部刈り、整地した後の土地130坪を1300万円で購入するか、どちらかの条件なら買いますと答えると、不動産屋が厳しいですねと言い、売り主さんに話して、その結果を連絡しますと、言ったので承諾した。


 数日後、現状渡しで1000万円で売る条件が出たと、連絡が入り、購入すると答え、不動産屋が、明後日、こちらの事務所で契約したいので、お越し下さいと言われ了解して、夢子と峰子と3人で出かけた。不動産屋に行く前に、再度、峰子を、その場所に連れて行くと、確かに高台だけれど、笹藪が多く、大丈夫なのと不安がったが、整地すれば大丈夫であり、130坪の景色の良い土地は魅力的だと達夫が答えた。


 その後、不動産屋で、売り主の老夫婦と売買の契約を結んで、先方の振り込み先を聞いて、振り込むことにした。契約を終え、地元の工務店に来てもらい整地するの費用と日数を聞くと5日で200万円というので、お願いした。次に、達夫の知り合いの住宅メーカの北山三郎部長に、連絡して、延べ床面積70坪の大きな店舗をできるだけ、安くて建てて欲しいと言い、エレベータ付きで2,3階ベランダ付きで4300万円と言う事でお願いした。工期は2ヶ月と12月18日予定。


 その後「妻有の里」の広瀬社長に10人の調理師さんの派遣を依頼し、更に広瀬社長に厨房の専門家を紹介してもらい、その業者と打ち合わせに同席してもらい、1階に3つ口ガスコンロ4台、入れて、業務用冷蔵・冷凍庫、流し台、ガスオーブン、電子レンジ3つなど合計2500万円で契約し、レストランが、完成後、すぐに、工事をお願いした。


 その後、地元三浦市で、12人のパート・アルバイト職員を募集した。レストランと厨房が完成して12月24日に、調理師さんのチーフを予定しいる22歳の山村静夫君が広瀬社長と一緒に来てもらい、紹介してもらった。


 レストランは、3階建てで、2,3階に、それぞれ、ベランダ席も含めて40席ずつと、庭のテラス席20席の合計100席をつくる予定で、費用総額は厨房設備工事を入れて合計で約7000万円。加えてハイエースを4台を達夫の知り合いの清水観光自動車に、5年リース、月に10万円で、お願いした。特に、テラス席、ベランダ席からの眺望の良さは素晴らしく、多くのお客さんが、期待出来ますね、と広瀬社長が笑いながら言った。レストラント、厨房を見てもらった。すると、上出来じゃないかと、広瀬社長が、達夫の肩をたたいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る