第32話:祖父の財産分与1

 そして風呂に入り達夫と夢子と子供3人が離れに行って床についた。翌日は朝6時に起きて夢子さんが台所に立ち朝食の支度をして母が、朝食の茶碗などを用意して、自由に食べられるように、大皿に盛りつけて、小皿を置いて、お客さん達に、召し上がってもらった。


 11時からの葬儀なので10時にハイエースと、自家用車4台に分乗して、立川斎場へ向かった。午後1時、葬儀も終わる頃、喪主の安田治が、挨拶して、葬儀の参加のお礼と、今後、子供、孫、7人で、しっかりと安田家の繁栄を引き継いでいきますと挨拶の言葉を話して、終了した。


 その後、お墓に行って、達夫達が、家に帰ってきたのは午後3時過ぎだった。その後、香典袋などを確認してから、風呂に入って、早めに床についた。翌、月曜日から、いつものような日々が始まり、子供達は学校へ、達夫は銀行へ、夢子は食品工場へ出かけていった。


 そうして少しずつ暖かくなってきた3月の第日曜日、両親と達夫で納屋を見に行った。すると、まず、帳面が出て来て、そこには、所有している株券の数量と銘柄名と預けてる先が書いてあった。


 それよると、トヨタ自動車株2万株、ソニー株2万株、三菱商事2万株、三井物産株2万株、伊藤忠商事2万株合計、10万株を野村證券、日本橋支店の預けてあると書いてあった。郵便貯金通帳は、1950年時点で700万円になっていた。その他、掛け軸が10点と伊万里焼と九谷焼の皿と椀と壺、銀の食器が多数出て来た。その他、庭の地図が書いてあり、そこに金の仏像が3体、埋めてあると書いてあった。早速掘り出しすと出て来た。


 その他、奥の方に古い大きな金庫があり、鍵のありかも書いてあり、焼き物の中からとりだして、開けてみると、古文書と書が数点見つかった。また、古い大判、小判、金貨、紙幣が箱に入っていた。


 その後、達夫は、同じ銀行の昔なじみの佐藤君が骨董の趣味があると聞いていたので、電話して来てもらい、見てもらえる事になった。20分後、佐藤君が到着して、ポラロイドカメラを手にし、納屋の中に入り、手際よく写真を撮った。1時間程して、興奮した様子で出て来て、家に上がって、開口一番、すごい金額になるよと言った。


 お茶を飲みながら、骨董を売るならば、神田の叔父さんの佐藤骨董店が信用できると言い、あの叔父さんなら、それぞれの骨董品を買いたい業者を知っているから、聞いてから売ると良いと教えてくれた。


 また、税控除の方法についても、詳しく教えてくれた。財産を分けるなら、あまり時間をかけずに、やった方が良いと言った。全面的に協力するから、言ってくれと話してくれた。


 最初は、古銭、大判、小判、郵便貯金の通帳、掛け軸、陶器、食器から売ると良いと、値段がわかりやすく売りやすいものを、その次に、いつでも売れる金、銀、宝飾品は最後に売れば良いとアドバイスしてくれた。


 金の仏像は現在の価格で3千万円だが、現在、歴史的にみて金は安いので上昇したときに売った方が良いと教えてくれた。また、税控除については、多くの人の名義にして売る事と、時間を分けて、1年ごとに売る様にするのが、コツだと説明してくれた。

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