第24話:更なる新店舗展開1

 やがて、3月となり夢子さんが出勤してきて、店長が、別館の調理場を見てくれる様にいわれ店舗で売る料理の下ごしらえの現場を監督することになった。


 そして三井銀行でも、この店舗作戦の成功に気をよくして、次回は小田急線沿線で、この事業スタイルで店舗を増やしませんか提案して来た。そこで、店長が、次週の水曜日、三井銀行での話し合いで出る約束をして出かけた。三井銀行融資部の5人のスタッフが資料を持って、待っていた。


 三井銀行では、「妻有の里」に興味を持ったので、「妻有の里」の本館・立川店、立川別館、各8店舗の販売所を見て回ったが、お客さんが多いので、まだ、いけると言い、同じ駅でも、北口と南口とか、同じ駅でも複数店舗にしたら良いと進言した。店舗での作業は、実に効率的で素晴らしいと言ってくれた。


 三井銀行融資部の計画では具体的な店舗計画は立川、国分寺、三鷹、武蔵境、吉祥寺、荻窪、店舗だと言った。そうして立川の別館の製造部を24時間体制にして、出来上がった商品を各店舗の在庫を見て、配送する計画だった。


 この話を聞いて、一番驚いたのが、店長で、24時間体勢なんて聞いたことがないと言うと、三井銀行・融資部の担当者が、別館の店舗を閉鎖して、全部工場にして、2段ベッドを入れて、3交代制で製造できるはずだと言った。

他社が、やったこともない事を実現して成功し、勝ち組企業になり、その市場を席巻するのですときっぱり言った。


 更に、繁華街に、新店舗を作れる場所を探せば良いとも言った。具体的には、吉祥寺の繁華街に、店を開いたらどうですかと話してくれた。現在の勢いなら成功の確率が極めて高い、融資は惜しみませんよと言った。


 この話を会社に持ち帰って考えて返事をしますと答えて三井銀行を後にした。店に帰って、副店長と、夢子にこの話を伝えると、両方とも、良い話じゃないですか、乗りましょう。勢いのあるときに攻める方が楽ですよと銀行の意見に賛成した。


 必要な人数を割り出して、また社員とパートさんを募集しましょうと言い調理師免許を持ってるものが10人もいるんですから大丈夫ですよと副店長が力強く話した。押されるように店長もやってみるかと言うことになった。これからの発展は1人でも多くの調理師免許を持った優秀なコックにかかっているので、別館の製造工場の工場長を夢子に任せるとの肩をたたくと、了解といった。


 その後、中卒の8人、高卒の子12人が入社してきた。また、パートさんを20人集め、明日から、店舗の候補の店を見て回るり、できるだけ早く営業するように手配すると店長が言って、店を出て行った。中央線沿線の店舗をまわり、駅前の良さそうな店舗の場所を決めて、不動産屋を介し、国鉄の不動産部と賃料を決めて、書類を送るように要請した。


 書類が届くと契約をして、お世話になっている高木工務店に電話して、極力早く店舗の改修と機材搬入をお願いした。契約後7日後完成して、担当者15人を選び店に派遣して、店舗の確認して、明日から営業開始する事となった。


 その後、立川別館を工場にして、店舗部分を閉めた。そうして、2つの部屋に2段ベッドを6個ずつ、合計12個で24人分のベッドを入れて、エアコンも入れて、4人分のシャワーとトイレを4ヶ所に設置した。勤務時間を、昼3時から夜11時、夜11時から朝7時、朝7時から午後3時からの1日3交代制とした。深夜勤務は週に2日までとし、パートの人は都合の良い時間とした。コックさんは、朝8時から夜8時の勤務として、残業は夜11時迄とした。定休日水曜は3交代も含めて休みと、翌週から3交代制を開始した。

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