第23話:新店舗と夢子の次女誕生

 そして「妻有の里」別館で、麻婆豆腐、唐揚げ、タンドリーチキンの材料を仕上げて、後は揚げるだけにして、軽トラックに積んで各店舗に配達する事にした。つまり、各店舗では、暖めたりするだけで、パックつめと、精算するだけで良い様にした。


 幌付き、軽トラックを2台追加して、中卒と高卒の社員を10人募集した。そして、休憩時間、料理人希望の若手に中華料理・麻婆豆腐、餃子、唐揚げ、タンドリーチキン、天ぷらの調理法を徹底的に教え込むようにした。そして、昨年3人が調理師免許を取得した。


 その後、2ヶ月が経ち、駅前の販売店の売り上げが想像以上に伸びてきて、調理担当を3人追加派遣して、各店舗2人体制にして、包装、精算のパートも1人ずつ増やし、各店舗4人体制となった。この年の秋には、人手が足りなくなり、新たにパートさん15人を募集した。


 三井銀行でも、気になったようで、駅前店舗を見て回り、その成功ぶりを喜んでいて、11月に妻有の店長に電話がかかってきて、もう5店舗ほど、中央線沿線の駅前に出店しませんかと言って来た。もちろん融資はさせてもらいますと言い、詳しい話をしたいので、翌週の水曜日に、銀行に店長が出向くと答えた。11月10日水曜、店長が銀行員つくと、5人のスタッフが、待ち構えていて、中央線沿いの店舗の候補地は、立川、三鷹、武蔵境、吉祥寺、荻窪と連絡してきた。


 候補地の選択理由はと、店長が銀行側に聞くと人口ですと答えた。良さそうな店舗物件も探しておきましたと10件の候補物件の資料もくれた。融資も1億円までなら、お貸ししますと言った。店長が借り入れは5千万円で十分と言い、資料もらって早速、手配しますと言い、直ぐ、銀行を出て、不動産屋を回り、立地の良さで5点を決めて、不動産屋に連絡して、必要な書類を送るように指示した。


 その後、親しくなった工務店に電話して、新しい店舗5つ作るので、改装と必要な機材の運搬も全部依頼した。5日後には営業開始したいというと、わかりましたと言い、7日後に各店舗に3人ずつ、送り込むことにした。そして、立川の妻有の里別館に、新しく雇いいれた人社員6人とパートさん10人を派遣した。


 餃子の陳澄男さんと、麻婆豆腐の張本さんに料理の指導をお願いした。陳さんが、餃子だけでなく、焼売のレシピを教えてくれ、新製品として発売して売れ始めた。


 安田家では1981年7月30日に2900gの元気な女の赤ちゃん、安田峰子が誕生し、大喜びをしていた。母子共に健康で、すくすく育っていった。奥さんは、来年1982年3月には、また出勤すると店長に話した。特に、安田家では、女の子は、初めてであり、近くの親戚も集まり、毎日、笑い声が絶えなかった。お兄ちゃんの健一も妹を可愛がって、よく見に来ていた。


 子供の世話、は母が大活躍してくれ、達夫は銀行でしっかり仕事をする事ができた。その結果、年末に資産が1350万円まで資産が増えた。その後、大家族になったので中古のハイエースを150万円で購入した。「妻有の里」での出店攻勢の1981年が終わり、1982年を迎えた。1982年は、年初から駅前の出店の売り上げが好調であり人手が足りなく10人を新たに派遣した。


 立川別館での料理教室の、お陰で一通り料理ができるスタッフが10人増えて、本店、別館でも大助かりだった。今年も実務経験2年を終える10人が、また調理師免許をめざす予定。店長は人手が不足するまでに、4月に近くの高校と中学に20人の募集をかけた。その他、パートさん30人の募集をかけた。

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