第14話:夢子の料理屋での仕事1
夢子さんが8時過ぎ、店に着くと、店長の広瀬政夫さんと奥さんの裕恵さんが来て、既に料理の支度を始めていた。夢子さんが着替えて出てくると店長が、これと、これを切っておいて、それが終わったら、これと、これを煮込み始めてと指示してくれ、その仕事を開始した。
少しして煮込み具合と味を見て、よしOKと言い、これなら使えると喜んでくれた。蕎麦のつゆになる物だから、この味をしっかり覚えておいて下さいと、夢子に行った。それが終わると、数人で店の前の掃除とテーブルと椅子の掃除をした。夢子さんが料理人の手伝いとして使えるのがわかり、次々と仕込みの用意を指示して、手際よく仕事をこなしていた。
今日のランチは、煮魚だから、冷蔵庫から出して、大鍋で煮始めてくれと言われ、料理手伝いの男性1人と夢子の2人で、多くの煮魚を作り始めた。その味をマスターが、味見して、醤油、砂糖、調味料を足し、味が濃すぎると、お椀にとって残して、再利用した。無駄なく料理をする、まさにプロの料理人だった。
その後、蕎麦の薬味の野菜を3人で大量にみじん切りを始めた。夢子は、店長の次に、素早くみじん切りを終えたので、店長は使えるなと、喜んでくれた。10時過ぎから、蕎麦に使う、天ぷらを揚げ始めた。多くの天ぷらを揚げると出てくる天かすをすくって、油切りをして、たぬき蕎麦に使う様だ。
10時半から、へぎ蕎麦を大量に3人で茹で始めて、直ぐ出せるように準備した。大釜の御飯も、その頃には、炊きあがり、蒸らしに入った。11時に店が始まると、常連さんや近所の多くのお客さんが入ってきた。
天ぷらへぎ蕎麦8枚、へぎ蕎麦5枚、ランチ8つと次々に注文が出て来たので夢子は、女性2人と一緒に、注文のあった商品の品出しに回って、次々と、注文をさばいた。2人では注文に対して、少しずつ遅れが出たが、夢子が入り、早くなった。11時半を過ぎると、ほぼ満席になったが、注文に対しての遅れが、ほとんど無かった。
そして、お客さんの回転が速く、間に合わなそうになると、夢子さん、厨房に入り、蕎麦の釜揚げを手伝って言うので、厨房に戻った。店長は注文に遅れそうなメニューの料理を手伝って回った。たまに、へぎ蕎麦をつまんで、もう少し早く上げろと指示すると、その感覚を覚えて、次に、茹で具合を見ると、OKと言い喜んでくれた。
1時半を過ぎて、昼の営業を終えて、暖簾を下げ、17時に開始の看板を上げてた。夢子が、近くの銀行に口座を開いてくるので30分程、暇をくれますかと、店長に聞くとOKと言われたので出かけていた。徒歩5分で三井銀行・立川支店があり、新規口座開設をした。ハンコをついて10分で終了すると女性行員がありがとうございますと大きな声で言うので顔を赤らめて、夢子さんが銀行を出て行った。
店に戻り、ただいま戻りましたというと、厨房の仕込みを手伝ってと言われ、夕方出す料理の仕込みと、下準備を3人で開始し、5分位すると、店長が仕入れに行ってくると出かけていった。指示は、全て、紙に書いてあるというので、見ながら仕込みを続けた。
1時間して、野菜と米、海鮮、肉、卵、調味料を仕入れて店長が戻ってきた。荷物を全員で下ろして冷蔵庫へ、肉は大急ぎでタレにつけ込み始めた。魚も、指示した調味料で煮込みを開始板。16時になり、へぎ蕎麦を3人で茹で始めて、釜に浸した米を10分後に火をつける指示を出した。16時半過ぎから天ぷらを揚げ始めた。その中でもへぎ蕎麦を茹でるのは一番大変だった。17時に、大量のへぎ蕎麦がゆで上がり、大きな釜で御飯が炊けた。
17時過ぎると、最初は、へぎ蕎麦と、カツ丼、天丼、親子丼などの注文が多く出た。その後18時を過ぎると、一気にへぎ蕎麦の注文が出だすと、天ぷらも、天かす蕎麦も売れ始めて、残りの数を見て、店長が天ぷら揚げや蕎麦を茹でろと、指示した。その後、商品がなくなると、その商品が売り切れたとボードに、書いた。
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