題名も作者も忘れたが、本作とは一切無関係なある作品の中で、主人公のルームメイトが空のビンばかり集める奇癖を持っていたので『私の部屋は空虚によって満たされてしまう』とぼやく場面があった。
本作は更にパワーアップ(?)している。これはもう、病気を通り越して個性だろう。もっとも、少しうがった感覚で捉えると主治医は実は政府の一員で主人公のような素質の持ち主を秘かに監視なり追従なりしているのかもしれない。主人公を振った女性はどこぞのスパイで、ああした病気をばらまいて破壊工作をしたのかもしれない。いやいやそんな妄想はどうでも良い、これは満足という概念への風刺だ。……色んな角度の発想が賑やかに湧いてきて到底止まらない。