爬虫類的ぷりぷり尻尾がある人生で人類が生み出しちゃった“食べられる敵”をどうにかする予定のレプア人である俺の話。
まくしえ
第1話 ぷりぷり尻尾と逃走劇
女は俺の手を引いて走り続けた。
(リリリリ、リリリリリリ…)
すでに全身が鉛のように重く、息をするのもつらい。
自身の
(リリ、リリリ、リリリ、リリ…)
びゅうびゅうと吹く風を頬に受ける。女は俺よりも
「くそっ、まだ追ってくるぜ!」
鳴きながら
(リリリ、リリリリリ…)
(リリリ、リリリリリ、リリリ…)
(リリ、リリ、リリリリリリリリ…)
今しがた発した自分の声は果たしてちゃんと発音されただろうか。そろそろ耳が耐えられなくなってきたらしく、
「あとどれくらいなんだ!?」
何か希望が欲しいという気持ちが言葉になって出てきたセリフに、ぷりぷり尻尾から反応があった。尻尾がぶるんと右になびくと、前の女は走りながらも
「もうすぐだから!」
そういうなり前を向き、ぷりぷり尻尾はまた俺の前で揺れだした。この騒音の中でも不思議と通る声は、すっと耳に届いた。その声に「もうすぐ」と言われればいくらか希望も湧いてくる。脚にぐっと力を入れなおして強く
「うわぁーー!」
次に
(ザパァーン)
いつの間にか引いていた手を自由にした女は水面へ向けて両手をそろえたかと思うと、そのままするりと水中に潜り落ちた。重力に従って
爬虫類的ぷりぷり尻尾がある人生で人類が生み出しちゃった“食べられる敵”をどうにかする予定のレプア人である俺の話。 まくしえ @maku-shie
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