短編集だけあってその内容は多岐に渡っている。中には意図が読めぬものもある。爽やかなものもあれば陰鬱なものもある。甘いものもあれば苦いものもある。こんなにあれば、自分が忘れてしまった何かも見つかるかも知れない。
カメラで切り取ったような、そこに息づく人々の一瞬の幸せを見せてもらえるオムニバスです。『見せてもらえる』ではないですね。『おすそわけ』が、もっと近しいかもしれません。読後に爽やかな心地が残る、そんな作品だとワタシは思います。