杜弼⑧不死鳥ジジイ。
地味ぃに北齊建国に貢献した
さりげなく
ここからは左団扇と思いきや、、、
▼
又以本官行鄭州事、
未發、為家客告弼謀反、
收下獄、案治無實、久乃見原。
因此絕朝見。
復坐第二子廷尉監臺卿斷獄稽遲、
與寺官俱為郎中封靜哲所訟。
事既上聞、顯祖發忿、
遂徙弼臨海鎮。
又た本官を以て行鄭州事たり、
未だ發さざるに、家客の弼の謀反を告ぐるところとなる。
收めて獄に下り、案治するに實なし、久くして乃ち原さる。
此に因りて朝見を絕ゆ。
復た第二子、廷尉監の臺卿の斷獄の稽遲するに坐し、
寺官と俱に郎中の封靜哲の訟うるところと為る。
事は既に上聞し、顯祖は忿りを發し、
遂に弼を臨海鎮に徙す。
▲
いきなりバリクソ怒られ案件。
まず、
なぜか食客が謀反の疑いを訴え出ました。
なんじゃそりゃ。
ちなみに、
東魏の鄭州は
とりあえず逮捕されて獄に入れられます。
しかし、
行政一筋40年の杜弼がそんなワケもなく。
調べてみれば事実無根、
しばらくして無罪放免。
ただし、これで高洋との朝見はナシ。
せっかく腹心にまで食い込んだのに。
これだけに終わりません。
具体的には裁判の遅延を起こしてしまいます。
このことが高洋の耳にまで入ってしまい、
杜弼は連座して
封靜哲という人については他に資料ないけど、
どうも
渤海蓨の封氏は漢人名門ではありますが、
漢人ながら立ち位置は鮮卑武人に近い、
いわゆる勲貴というヤツでありました。
つまり、
汚職やり放題パラダイスの住人であり、
杜弼のようなガッチリ行政官はウザイ。
杜弼は汚職追放スタンドプレーもしちゃったし。
北齊名物
「勲貴v.s.漢人官僚シバキ合い祭り」。
そのイケニエになったんじゃないかな、と。
それが証拠に、
「
ガチンコ刑罰、所払いというヤツですね。
臨海鎮は後段にあります通り
思い切りよく飛ばされたものです。
やるう!
▼
時楚州人東方白額謀反、南北響應、
臨海鎮為賊帥張綽、潘天合等所攻、
弼率厲城人、終得全固。
顯祖嘉之、勑行海州事、即所徙之州。
時に楚州の人、東方白額は謀反し、
南北は響應す。
臨海鎮は賊帥の張綽、潘天合等の攻むるところとなり、
弼は城人を率厲し、終に全固たるを得る。
顯祖は之を嘉し、勑して海州事を行わしむ。
即ち徙すところの州なり。
▲
そんな失意の杜弼ですが、
哀しいかな天は見捨てません。
楚州の人の
その一党の
『北齊書』段韶伝にはこう書かれています。
天保四年、梁將の東方白額は潛かに宿豫に至り、
韶に詔して之を討たしむ。
既に至るに、會々梁將の嚴超達等の軍は涇州に逼る。
陳霸先は將に廣陵を攻めんとし、
尹令思は謀りて盱眙を襲い、三軍は咸な懼る。
どこが叛乱やねーん。
東方白額って梁の将軍やないかーい。
どうするジジイ?
追放されて臨海鎮にいる杜弼は腐らず、
城民を率いて張綽と潘天合に抵抗します。
そしてついに臨海鎮を守り抜いてしまう。
ジジイすげえゼ、スゲエぜジジイ!
さすがの高洋もこれにはニッコリ、
臨海鎮を含む海州の統治を任せます。
まさに不死鳥、
何このジジイ。
行政大好き実務派の杜弼ですから、
地方官になるとイキイキツヤツヤ。
▼
在州奏通陵道並韓信故道。
又於州東帶海而起長堰、
外遏鹹潮、內引淡水。
勑並依行。
轉徐州刺史、未之任、又除膠州刺史。
州にありて陵道、並びに韓信故道を通ぜんことを奏す。
又た州東に海を帶びて長堰を起こし、
外に鹹潮を遏み、內に淡水を引かん、と。
勑して並びに行うに依らしむ。
徐州刺史に轉じ、未だ任に之かざるに、
又た膠州刺史に除せらる。
▲
さっそく、州内の
州東が海なので堰堤を造って海水を遮断、
淡水を引いての農地の拡大を上奏します。
陵道と韓信故道は不詳なのですけども、
古代の道は修理しないとすぐ壊れます。
陵道と韓信故道はすでに廃道になり、
それを再整備したものと思われます。
これらは裁可されたので実施したんでしょう。
というワケで、
「又た」って言うからたぶんそう。
ジジイ、コキ使われておりますね。
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