杜弼⑥文官肌の高澄とは好相性?
さて、
高歓の第四子の
その
兼任、東魏もブラック企業やな。
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平陽公淹為并州刺史、
高祖又命弼帶并州驃騎府長史。
平陽公の淹の并州刺史と為るに、
高祖は又た弼に命じて并州驃騎府長史を帶びせしむ。
▲
高歓のいる
高淹に統治経験を積ませたかった、
のかも知れません。
そのお目付け役とされたわけです。
残念ながら時期は不明。
この後にまたクソ長い名理の論です。
これも省略、末尾にくっつけてます。
▼
武定中、遷衞尉卿。
會梁遣貞陽侯淵明等入寇彭城、
大都督高岳、行臺慕容紹宗率諸軍討之、
詔弼為軍司、攝行臺左丞。
臨發、世宗賜胡馬一匹、
語弼曰、
「此廄中第二馬、孤恒自乘騎、
今方遠別、聊以為贈」。
又令陳政務之要可為鑒戒者、
錄一兩條。
弼請口陳曰、
「天下大務、莫過賞罰二論、
賞一人使天下人喜、
罰一人使天下人服。
但能二事得中、自然盡美」。
世宗大悅曰、
「言雖不多、於理甚要」。
握手而別。
破蕭明於寒山、別與領軍潘樂攻拔梁潼州、
仍與岳等撫軍恤民、合境傾賴。
武定中、衞尉卿に遷る。
會々梁は貞陽侯の淵明等を遣りて彭城に入寇せしめ、
大都督の高岳、行臺の慕容紹宗の諸軍を率て之を討つに、
弼に詔して軍司と為し、行臺左丞を攝らしむ。
發するに臨み、世宗は胡馬一匹を賜い、
弼に語りて曰わく、
「此れは廄中第二の馬、孤は恒に自ら乘騎す。
今、方に遠別するに、聊か以て贈と為さん」と。
又た政務の要の鑒戒を為すべきを陳べ、
一兩條を錄さしむ。
弼は口陳を請いて曰わく、
「天下の大務、賞罰の二論を過ぐるなく、
一人を賞して天下の人を喜ばしめ、
一人を罰して天下の人を服さしむ。
但だ能く二事に中るを得れば、
自然に美を盡くさん」と。
世宗は大いに悅びて曰わく、
「言は多からずと雖も、理に甚だ要なり」と。
手を握りて別る。
蕭明を寒山に破り、別に領軍の潘樂と攻めて梁の潼州を拔き、
仍りて岳等と軍を撫して民を恤れみ、合境は傾賴せり。
▲
その次に
これは武定5年(547)夏から秋のことです。
杜弼57歳です。
この年の春には高歓が世を去っており、
当然のようにみんな大好き
謀反が起こり、その絡みでの戦なのですよね。
高歓の従弟の
杜弼は
見送りに出た高澄は愛馬を杜弼に贈り、
「政治で大切なことを言っておけ」
というムチャ振りをおこないます。
杜弼
「政治の要は賞罰です。
1人を賞して天下が喜び、
1人を罰して天下が服す。
それが理想というもの。
賞罰が正しく行われれば、
統治には失敗しません」
高澄
「短いが政治の要諦を突いておる」
そう言うと、高澄は杜弼の手を握り、
お別れしたのでありました。
以下は省略した名理の論とこの後に続く
仏教絡みのお話をのっけておりますけど。
お好きな方だけどうぞ。
▼
弼性好名理、探味玄宗、
自在軍旅、帶經從役。
注老子道德經二卷、表上之曰、
「臣聞乘風理弋、追逸羽於高雲。
臨波命鈎、引沉鱗於大壑。
苟得其道、為工其事、
在物既爾、理亦固然。
竊惟道、德二經、闡明幽極、
旨冥動寂、用周凡聖。
論行也、清淨柔弱。
語迹也、成功致治。
實眾流之江海、乃羣藝之本根。
臣少覽經書、偏所篤好、
雖從役軍府、而不捨遊息。
鑽味既久、斐斖如有所見、
比之前注、微謂異於舊說。
情發於中而彰諸外、
輕以管窺、遂成穿鑿。
無取於遊刃、有慚於運斤、
不足破秋毫之論、
何以解連環之結。
本欲止於門內、貽厥童蒙、
兼以近資愚鄙、私備忘闕。
不悟姑射凝神、汾陽流照、
蓋高之聽卑、邇言在察。
春末奉旨、猥蒙垂誘、
令上所注老子、謹冒封呈、
並序如別」。
詔答云、
「李君遊神冥窅、獨觀恍惚、
玄同造化、宗極羣有。
從中被外、周應可以裁成。
自己及物、運行可以資用。
隆家寧國、義屬斯文。
卿才思優洽、業尚通遠、
息棲儒門、馳騁玄肆、
既啟專家之學、且暢釋老之言。
戶列門張、途通徑達、
理事兼申、能用俱表、
彼賢所未悟、遺老所未聞、
旨極精微、言窮深妙。
朕有味二經、倦於舊說、
歷覽新注、所得已多、
嘉尚之來、良非一緒。
已勑殺青編、藏之延閣」。
又上一本於高祖、一本於世宗。
弼は性に名理を好み、玄宗を探味す。
自ずから軍旅にあって、經を帶びて役に從う。
老子道德經二卷に注し、表して之を上りて曰わく、
「臣の聞くならく、風に乘じて理は弋び、
追うも羽を高雲に逸し、
波に臨みて鈎を命じ、沉鱗を大壑に引く、と。
苟し其の道を得れば、為に其の事に工み、
物に在りて既に爾らば、理は亦た固より然り。
竊かに惟うに道、德二經は、幽極を闡明し、
旨は冥にして動は寂、用て凡聖に周し。
行を論ずるや、清淨柔弱なり。
迹を語るや、功を成して治を致さん。
實に眾流の江海に之き、乃ち羣藝の根を本とするなり。
臣は少くして經書を覽て、偏く篤く好むところ、
軍府に從役すると雖も、而して遊息を捨てず。
鑽味すること既に久し、斐斖に見るところあるが如く、
之を前注に比するに、微かに異を舊說に謂う。
情は中に發して諸を外に彰し、
輕がろしく管窺を以て、遂に穿鑿を成す。
遊刃に取るなく、運斤に慚ずるあり、
秋毫の論を破るに足らず、
何ぞ以て連環の結を解かん。
本より門內に止めて厥の童蒙に貽さんと欲するも、
兼ねて近く愚鄙に資するを以て、私に忘闕に備えん。
姑射の神を凝らし、汾陽に流照するを悟らず、
蓋し之を高くして卑きを聽き、邇言は察に在り。
春末に旨を奉じ、猥りに垂誘を蒙り、
注するところの老子を上らしむ、
謹みて封呈を冒さしめ、
並びに序に別たるが如し」と。
詔して答えて云えらく、
「李君は遊神冥窅、獨り恍惚を觀て、
玄は造化に同じく、宗は羣有を極む。
中より外に被り、周ねく應に可以て裁成すべし。
己より物に及び、運行して以て資用しべし。
隆家寧國、義は斯文に屬く。
卿の才思は優洽、業は尚お通遠、
儒門に息棲し、玄肆に馳騁し、
既にして專家の學を啟き、且つ釋老の言を暢ぶ。
戶は列し門は張り、途通は徑達し、
理事は兼ね申べ、能く用て俱に表す。
彼の賢の未だ悟らざるところ、遺老の未だ聞かざるところ、
旨は精微を極め、言は深妙を窮む。
朕は二經を味わいて舊說に倦むあり、
新注を歷覽するに、得るところは已に多し。
嘉尚の來るに、良非は緒を一にす。
已に勑して青編を殺し、之を延閣に藏せしめよ」と。
又た一本を高祖に、一本を世宗に上る。
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六年四月八日、
魏帝集名僧於顯陽殿講說佛理、
弼與吏部尚書楊愔、中書令邢卲、
祕書監魏收等並侍法筵。
勑弼昇師子座、當眾敷演。
昭玄都僧達及僧道順並緇林之英、
問難鋒至、往復數十番、莫有能屈。
帝曰、
「此賢若生孔門、則何如也?」。
六年四月八日、
魏帝は名僧を顯陽殿に集めて佛理を講說せしめ、
弼は吏部尚書の楊愔、中書令の邢卲、
祕書監の魏收らと並びに法筵に侍る。
弼に勑して師子座に昇り、眾に當りて敷演せしむ。
昭玄都の僧達、及び僧道順は並びに緇林の英、
問難の鋒は至りて、往復すること數十番、
有能く屈するあるなし。
帝は曰わく、
「此の賢の若し孔門に生まるれば、則ち何如せんや?」と。
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