最初に読んだときは展開を読み間違えていて、ここで終わるの?って思ったのですが、全体を把握して読み返したら納得いきました。幼い頃の過ちや、現在進行形でもいいですが、何か引っかかりがある人ほど心に入ってくる話かもしれません。
心が温まる冬の日のファンタジー。絵本のような優しい語り口調で、物語はゆったりと展開します。主人公と一緒に足跡を追っていくと、いつのまにか自分も優しい気持ちにさせられます。
主人公が雪道につけていく足跡が、さくっさくっと静かに空気を揺らしてはまた雪に埋もれていく、そんな様子を思い浮かべてしまった。喧嘩の内容はともかく、心身ともに頭が冷えた時には、その足跡が友人へむかって走り出す軌跡を描くのだろう。
どんなに仲が良くても、喧嘩してしまう事ってありますね。大声で怒鳴って、会いたくないって叫んで、だけどそんな怒りもだんだん弱くなっていく。言い過ぎたかなと思っちゃう。それでも、なかなか素直になれません。そんな時見つけた小さな足跡。その先で見つけたのは大切なものでした。雪の日のほっこりするお話です。
仲良しのあの子とケンカした。ちょっと言い過ぎたかもって思ったけれど、それでも謝ることは出来なくて。そんな時彼女が見つけたのは、雪の上に残った小さな足跡。それを辿っていくと、無くしていた懐かしい、そして大切な事を思い出させてくれた。雪の日に送る、ファンタジックで心暖まる不思議な物語。これを読めばあなたの心も、きっと暖かなものになるはずです。