ブームにのっかったテンプレ作品など要らない

「な、なかっ!、、、俺ん作品が無かとよォォォ!!!」

『剣聖に裏切られた幼馴染の旅路』の作者は店を飛び出した。「お客さんお勘定ーー!!」と迫る黒服集団は『幻斬撃』でしっかり倒しておいたから大丈夫。

さっきまで中州のガールズバー「ミーア☆ノクターン」で「ワイの上昇加速は一味違うったいぃぃぃ~!」と第1空挺団時代の武勇伝を語り、自作投稿作品をバーのオキニ嬢『♡ユキナちゃん♡』に見せてアピールしていたのはここだけの秘密だぞっ!

某小説投稿サイトから追放処分を受けた作者は、仲間達の支援と"繋ぐ力"によって新たな女神・カクヨムの元へと旅立った。目指すはカクヨム運営ギルドだ。固有スキル『上昇加速ブーストアクセル』を発動させると、作者の蒼き瞳は周囲を睥睨した。

白髪に染め、ブルーコンタクトを入れた『シーナになりきった』作者に同僚や家族、近隣住民の不安は広がる。会う人会う人を『相棒』と呼び『一緒にお揃いん剣ば打たんか?』と謎仲間理論で熱い視線を向けるのは勘弁してほしいよアッシュ。

そんな狂う兄を見て作者の弟は涙ながらに取材に答えた。

弟「うちン兄ヤンが作品消しゃれて狂っちおかしくなりよったちゃ、誰か助けてくれんとね?」

身内の心配を他所に、優雅に派遣型マッサージ店の一番人気嬢、ティーラさんから『癒し手』の施術を受けながら喘ぐ作者。

「難癖ばつくる〇〇〇系某運営など要らん・・・んくっ」

この作品は、運命に抗い、己を殺し、己を貫き通した主人公シーナと作者の末路・・・もとい、旅路を描いた物語である。

(´・ω・`)「もう作品消さんといてや」