しっかりとした世界観と、程良い匙加減

作中でも何度か参考書籍を紹介されていますが、それ以外にもファンタジー辞典などを読み込んでしっかりと世界観を作られているように感じます。
大きなところでは詠唱や悪魔の遇し方、細かいところではソーマやアムリタなど(エリクサーは定番でもこの辺りはなかなか見ませんよね?)。
そういった部分の描写を会話や行動の間に差し挟み、話の流れを損なわないので非常に読みやすいです。

主要なキャラクターもしっかりと書き分けられており、それぞれの行動ロジックの中で好き勝手に動き回っているように感じます。ドラゴン狩りへのイリヤとベリアルの思惑とか「こいつら自由だなー」って感じで。あとは召喚された中級悪魔のテノヒラクルーと、実は濃い個性なんてところも好きですね。こぼれ話も良い。

口当たりはあっさりなのに、濃厚で奥深い世界。いかがでしょうか。

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