市街戦(上)

 ニューハウィックまでの移動は再び翌朝だった。

 漆原がマーリファインの足回りから関節固定ピンを引き抜いてポーチに差し込む。彼女が投げ上げたポーチを私が砲塔の上でキャッチする。肩関節から抜いておいたピンを差し込んで操縦室のラックに放り込む。中からハッチを閉めて投影器のプラグを差し込む。

 アクセサリー・オン。計器に灯が入る。

 バッテリーの電圧を確認、グロー・プラグに通電。一息置いてセルモーターを回し、ギアを噛ませてエンジンのクランクに回転を伝える。プラグの熱で温まった燃焼室に噴射ポンプから霧状の軽油が飛び出す。圧縮された空気の熱に炙られ点火。

 一瞬、右舷のマフラーから黒煙が吹き出す。

 始動。エンジンの回転が安定してくる。がらがらと心地よい振動。排気は無色に。

 機体コンピュータ、可視光カメラを起動。レンズのシャッターが開いて外の景色が見えるようになる。姿勢制御システムをチェック。

 減速機のクラッチを油圧ポンプにコンタクト。作動油をセパレーターに送り込む。セパレーターは姿勢制御システムに従って脚部の各関節に作動油を送り出す。

 脚が伸びるにしたがって機体が持ち上がる。普段より踵関節の伸長を遅く。どちらかというと正面より背面にたくさん装甲を追加したので上体の重心が後ろに寄っている。その分上体を前にせり出した姿勢で立ち上がらなければいけない。関節の微妙な遊びが合わさって機体が前後に揺れ動く。

 私の前方でも松浦と檜佐が機体を立ち上げている。装甲板を吊って少し大きくなった上体に対して脚はほぼそのままだから、余計に走鳥っぽさが強まっていた。

 しかし、重い。重いというか、重いものを背中にしょっている感覚だ。装甲板とブローニングの取り付けによってマーリファインの重量はたぶん十五トンくらいになっている。台車に乗せて牽引するのはやめておいた。平地で舗装路ならいいかもしれないけど、平たくても不整地だ。ちょっとした窪みで台車のホイールやサスペンション、牽引用のコネクタが駄目にならないとも限らない。

 台車に乗せられないからといって三機分トレーラーが用意できるわけでもないから、機体の脚で自走する。二十メートルくらいからの落下にも耐える設計だから重量増は問題にならないだろう。燃費が悪いのと、乗ってる人間によっては酔うことくらいがデメリットか。まあ、平地で立ち上がった肢闘はとても目立つので戦時だったらまずやらないだろう。移動時というのは私たち乗員の集中力も下がっている。なおさら危険だ。

 指揮車のパジェロのあとに続いて、マーリファイン三機、牽引車、支援班と整備小隊のトラック、タンカー、トレーラーが続く。トレーラーは装甲板やブローニングを運んできたやつなので今は空荷になっている。

 一つ先を走る檜佐機の背中を眺める。ほとんど引っかけられただけの装甲板が一歩一歩踏み出す度に甲冑の裾のように揺れている。

 腰から上の装甲は重いだけだからまだいい。問題は踵の装甲だ。関節を覆うように蹄鉄型のカバーがついている。これが重い。マーリファインの脚はできるだけ速く走れるようにかなり軽く作られている。そこに重いものがくっつくと振り出す時のモーメントが大きくなってパワーを浪費するし、その分反力が大きくなって上体を回転させようとする。脚はマーリファインの生命線だけど、それゆえに守らなければならない、装甲しなければならないというジレンマを抱えている。

 少し車列を外れてスピードを上げる。もともとのマーリファインは速度性能を考慮して脚の付け根よりかなり前方に上体の重心が設定してある。トリ脚型のプラットフォームだと重心を前に投げ出す割合が大きいほど速く走れるからだ。しかし今はかなり姿勢を低くしないとスピードが乗らない。通常装備なら時速百キロは下らないが、せいぜい八十キロ。それは単に装甲の重さのせいではなくて、重心が後方に下がってしまったせいだ。もし砲塔正面に鉄の塊のような装甲を一枚つけるなら、今回と同じだけ重量が増えるとしてもその方が速く走れるんじゃないだろうか。

 車列に戻る。

 集結地点はもとの野営地から北東に十キロほどのところだった。多少起伏があるくらいで、あとは全く変わり映えのしない荒野だったが、遠くに街のビル群が見えていた。まるで戦艦の上部構造みたいに黒々としている。

 アメリカ側はとっくに到着してこちらを待っていたようだ。ストライカーシリーズの装甲車が十三輌が綺麗に並んでいた。うち三輌は砲塔と長い砲身の目立つ自走戦車砲(ストライカーMGS)だ。歩兵支援用の兵員輸送車(ICV)がメインだろうけど、指揮車(CV)や自走迫撃砲(MC)も混じっているはずだ。見かけではぱっと判断がつくものではない。ともかく、歩兵・装甲車混成のこの部隊が市街戦の主力になる。

 そこに演習情報処理用のコンピューターを積んだトラック、偵察ヘリ(OH‐58)が加わっている。そしてピジョンホーラーだ。四輌いた。いずれも砂色の単色迷彩。歩兵中隊が二個いるにしてはやけに閑散としているから、敵役の部隊はもう街中で準備を済ませているのだろう。我々の車列も一度停車して双方の指揮官で軽く打ち合わせを済ませ、そのあとすぐに行動に移った。詳細説明は機上で行うようだ。

 私はマーリファインの足を止めて起立姿勢のままで軽く機上点検を行ったあと、ピジョンホーラーがどんなふうに動き出すのか観察していた。距離は二十メートルくらいしかないし、視点も高いのでよく見える。

 話にあったとおりの長座姿勢だけど、わりと脚が短いようで車体前縁と爪先の距離はさほど開いていない。安定感のある姿だ。全長は七メートルくらいだろう。砲塔全周と脚の外側に対HEAT用のフェンス(スラットアーマー)を取り付けている。

 各車に二人ずつ乗員が乗り込む。一人が砲塔の前から車体に、一人が砲塔後部に乗る。おそらく操縦手と砲手。一輌だけ三人、砲塔に二人乗り込む。たぶんそれが小隊長車だ。砲手用のハッチが砲塔の中心線上にあるのに対して小隊長用のハッチは右側に寄っている。中は結構広いのだろうか。

 車体後部のマフラーから黒煙が吹き上がる。ヒュウウンという高いエンジン音が聞こえた。ガスタービンか。六対の車輪が回転を始めるがエンジン音はそのまま。トランスミッションを噛ませているなら少しくらいは回転が下がりそうなものだが、それがない。ガス‐エレクトリック、ハイブリッド駆動らしい。つまりガスタービンエンジンで起こした電力をモーターに伝えて車輪を動かしている。ホイールが分厚いところを見ると一輪一輪にモーターが内蔵してあるのかもしれない。サスペンションのアームが一輪ずつ上下して地面の窪みを乗り越えていく。タイヤは下部が軟らかく潰れている。かなり低圧だ。

 小隊長(松浦)機が少し腰を落とした走行姿勢をとる。ピジョンホーラーに合わせて走り始めたので私も後を追う。ニューハウィックまではあと三キロほどだ。

 ピジョンホーラーの巡航は時速五十キロくらい。地面は十分平坦だけど、整地でタイヤを硬くすればもう少し出るだろうか。ハッチから小隊長が体を乗り出した一輌を先頭に縦一列に連なる。歩兵を乗せたストライカーの車列も後に続く。

 賀西による演習内容の説明は主に敵役の配置予測などについてだった。演習といっても敵味方で別れるので相手方に明かされている情報は戦力くらいだ。相手が戦力をどう配置するか、どんな戦術を取るか、それぞれの指揮官が実戦と同じようにきちんと予想しなければならない。

 賀西曰く、市街地へのアプローチは西から行う。ニューハウィック市街はやや東西に長く南北に短い長方形の範囲に広がっている。南北から攻めた方が広場には近いが、包囲攻撃を食らう危険が大きくなる。だから主力を西に集中させたのち、それに対応する敵の布陣を左右から崩していく戦術をとる。

 具体的に言うと、ピジョンホーラー小隊が正面から突っ切り、ストライカー中隊の歩兵を乗せたICVが一輌ずつその後ろについて制圧を担当、さらにその後続にMGSが続いてご自慢の105ミリ砲で火力支援を行う。足が速く装甲が薄いマーリファインには歩兵が随伴できないから迂回して側面から敵の配置を撹乱する。

 敵役の二個歩兵中隊は対物ライフル(M82)や重機関銃(M2)、迫撃砲(M224)、対戦車ロケット(M72)、対戦車地雷(M19)を模した各種判定装置を持って待ち伏せを行う。こちらはできる限り迅速に敵をマーク、「攻撃」して反撃・待ち伏せを食らう前に無力化すること。偵察ヘリは歩兵携行対空ミサイルの想定射程外から屋上などの監視を行って情報を提供するが、攻撃は行わない。目標はやはり街中心部広場の確保。歩兵を殲滅する必要はないが、広場に到達すれば当然相手は集まってくる。無理な突破は不適だ。以上。以降、米軍側の無線周波数に合わせる。自由に連携してもらっても構わない。

 賀西が言った周波数に切り替えるとお経のような英語が耳に入ってきた。アメリカ隊は自由におしゃべりをしていたようだ。そうか、こっちは三人だけど向こうはピジョンホーラー小隊だけで九人もいるのだ。ストライカー隊も一輌に一人は話者がいるわけで。

 聞いている一方なのも悪いので短く挨拶する。向こうも挨拶を返す。声の感じからして女もいるみたいだ。ちょっと安心した。

「こちらCDVチームのラーク大尉。ピジョンホーラー、マーリファインというのはちょっと長くて呼びづらいな。それぞれプラムとマスカットをコールサインにするのはどうだろう」

「賀西少佐。いいね。それで構わない。それならせっかくだからストライカーの各車もストロベリーにしておこう」と賀西。

「オーケー、話は聞いていたぞ。こちらストロベリー・リード、ストライカー中隊のアリンガム中佐だ。よろしく、マスカット小隊の諸君。各車、点呼とれ――」とショーの司会のような滑らかな英語。

 全体の指揮を握っているのがアリンガム中佐だ。賀西も彼の下に入る。指揮を行うストライカーCVやパジェロは車列の後尾に少し離れて走っているが、戦闘には参加しない。演習エリア全域に無線の届く見晴らしのいいところ、できるだけ手前で停車するだろう。

 各車、中佐の指示に従って点呼を進めていた。私は視界に重ねて各車各機にコールサインのタグ付けを行う。仮想マップ上のマーカー表示はすでに切り替わっている。私はマスカット3になった。

 ニューハウィック市街の西端には一二階建ての低層エリアがなく、いきなり三四階のビルから街が始まっていた。それはぶつ切りになったトカゲのしっぽの断面を思わせた。あるべきものがそこにない。そのせいで見えるべきでないものが見えてしまっている。そんな感じだった。

 その断面から三百メートルほどに迫ったところで、プラム隊がスピードを落として索敵を始めた。ストロベリー隊もそれに合わせて一度停車、ICVの後部から歩兵を排出する。

 ストライカーシリーズの装甲車はどの車種も同じ車体を使っている。八つの車輪があって、その上に牛乳パックをもう少し平たくしたような車体が乗っかっている。当然とがっている方が前だ。種類によって車体の中や上に乗せるものが変わってくるわけだけど、ICVに関して言えば前方が乗員用のスペースで、後部に歩兵九人くらい、一個小隊全員を収めることができる。だからストライカーは歩兵部隊で運用する。移動の時は歩兵の足になり、戦闘の時は盾になる(といっても輸送機に乗せて運ぶことを考慮したせいで車重が十五トンちょいしかないから、戦車のような鉄壁力は持ち合わせていない)。ICVだけじゃない。MGSやMCは火力支援がメインだけど、これも歩兵運用だ。だから言ってみればストライカー部隊というのは機動力と装甲を持ち合わせた騎兵寄りの歩兵部隊なのだ。騎兵そのものの突破力は戦車が受け継いだけど、歩兵の制圧力と騎兵の足の速さを兼ね備えている。

 降車した歩兵たちがICVの後ろで戦闘準備を整える。ここからが市街戦だ。我々マスカット隊はスピードを維持したまま各機の進路を広げて街の南北に分かれる。

 仮想マップ上に早くも敵のマーカーが表示され始めた。我々の隊のセンサーではない。プラム隊からのデータリンクだ。彼らは隊列を横に広げて立ち上がる。走りながらわずかに爪先を下ろしてブレーキをかけ、脚を曲げてその勢いで車体を持ち上げる。

 砂煙が舞い上がって一瞬ピジョンホーラーの姿が見えなくなる。

 そして間もなく砂のヴェールを破って「機体」が姿を現す。鳥型のマッシブな脚が地面を踏みしめ、円盤状の砲塔がにゅっと前に出てくる。背丈は九、いや八メートルくらいか。大きく見える。決して遅いわけではないもののマーリファインに比べれば一歩一歩確かめるような歩行だった。重そうな脚だが砲塔は全くブレない。脚の動きとは全く無関係に等速で前方に滑っていくような具合だった。砲塔に乗っている人間には自分の乗り物が「歩いている」という感覚はないかもしれない。コンピュータによる姿勢制御だろうけど、上手くやるものだ。

 プラム隊とストロベリー隊は一輌のピジョンホーラーを先頭にしてICV、歩兵、やや離れてMGSと隊列をなして道に分け入っていく。それで四つのグループができるが、MGSはストライカー中隊に三輌しかないのでプラム1のグループにはMGSが随伴しない。

 ストライカーMGSは戦車の主砲を車体の上に乗せたタイプで、小さな敵には小回りが利かないが、市街戦でも建物やバリケードを壊すにあたって大いに威力を発揮する。榴弾の加害範囲も三十五ミリの比ではない。

 MGSが百五ミリを撃つと空を割るような空砲の音とともに演習ログが一気にどっと増える。ほとんど無力化・撃破判定。それだけの敵を一度に巻き込んでいるということだ。

 すでに私の機体からは直接彼らの様子は見えない。状況を知るには仮想マップ上に映したデータリンクの情報が頼りだ。私の進路に最も近いプラム2に注目しよう。道の上にプラム2(ピジョンホーラー)、ストロベリー2(ストライカーICV)、ストロベリー2a~i(歩兵)、ストロベリー5(ストライカーMGS)のマーカーが並んでいる。

 マーカーの列は歩兵の足並みに合わせてゆっくりと進む。前方に現れた敵の兵士はマークされるとほぼ同時に無力化されていく。攻撃のために身を晒すまでもなく、隠れている状態で見つかっているのだ。ピジョンホーラーの熱センサーがかなり高性能らしい。かなり一方的な展開だ。

 私も自分の仕事に取りかかろう。

 マスカット隊は南北からの側面攻撃を担うわけだけど、私は右翼、南側を一人で受け持つ。南側なら建物の開口が大きいし、陽が差すから部屋の中も多少見やすいだろうという判断だ。可視光と赤外線のカメラを使って敵役の歩兵を探す。

 左手のビル四階に一組。周りの部屋より室温が高い。空気が対流している。二人か。他には見当たらない。監視を置いているだけ?

 距離二百メートル。

 こちらはもう見つかっているだろうから構わず照準を向ける。

 窓に向かって十二・七を連射。

 狙ったところには飛んでいるけど無力化判定が来ない。壁が遮蔽になって弾が当たってないみたいだ。相手も上手く隠れている。

 三十五ミリの榴弾に替えて一発。

 判定、無力化。

 奥の壁に当たって炸裂した弾の破片が相手に刺さったという判定だ。

 ちょっと息を抜いてプラム隊の状況を確認した。演習ログに被弾と「ブロック」の表記が並んでいる。弾は七・六二、十二・七ミリはむろん、HEATもある。対戦車ロケットも防いでいるということだ。

 敵は主力をプラム隊の方、つまり街の西から大通りに沿って配置しているようだった。かなり深い陣地を形成している。ブリーフィングの時の予想と一致していた。プラム隊は左右の至近距離を敵のトーチカに囲まれたまま進軍しているようなものだ。

 私も南側から街に入る。できるだけ大きな通りを選んだ。敵影なし。地上高四メートルほどのところに電線が架かっている。跨ぐにも潜るにも厄介な高さだけど、切るわけにはいかない。そういう命令なのだ。

 仕方ないから前方の地面に地雷がないか確認してからジャンプ、脚を縮めて架線を越え、着地。装甲板と機体の外板がぶつかってタライを落としたような大きな音が響いた。

 機体は大丈夫だけどさ、これはかなり目立つぞ。

 角を一つ曲がると道の先に交差点が見えた。歩兵の反応もあった。ここで出て行けば向こうから好きに撃たれる。逃げ場がない。地図を確認。一つ手前の路地に入れば裏を突ける。

 索敵。

 路地に敵影なし。しかし狭い。かなり近づかなければ建物の中を覗くことができない。駆け抜けた方がいいだろう。マーリファインはあまり加速はよくないが直線は速い。次の角の手前まで走る。走りながら両側の建物をスキャン。ほとんど目の高さしか調べられない。右手前の建物の一階から人が顔を出してロケットを構える。

 私は急いで反転、左の砲口が建物の壁を擦りそうになる。重心を背後に振ってぎりぎり通したけど逆に背中を擦った。

 路地は狭いし、腕が長すぎる。取り回しが悪い。

 しかしマーリファインが閉所での機動を考慮していないわけじゃない。その名も山林機動自走高射砲なのだ。森の中、つまり生い茂った木々の間を縫って駆け回ることは当然想定している。人工林の幹の間隔がだいたい四メートルだ。しかしこれだけ急な旋回の必要に迫られることは滅多にない。マーリファインの本来の敵は航空機なのだ。大抵は相手から三キロ以上離れている。もし急旋回が必要になるとしたら、それは敵機が真上にいる時だ。敵が真上なら両腕も真上に向けている。真上に向けていればどれだけ砲塔を振っても砲口を振り回すような動きにはならない。近距離で下を狙いたいという状況がマーリファインにとって特殊すぎるのだ。

 しかし愚痴っても仕方がない。

 ロケットの射線に対して腕側面の装甲板を浅く差し込むように角度を合わせる。

 跳弾と左のブローニング(十二・七ミリ)損傷の判定がほぼ同時に送られてくる。

 装甲板が役に立った。単に重いだけじゃないな。

 右の十二・七ミリで応射するが、相手だって丸々全身を晒して撃ってくるわけじゃない。もう物陰だ。

 両舷の三十五ミリを二斉射ほどして先に進む。待っていても向こうの二射目を食らうだけだ。

 建物の陰から上体の右半分だけ晒すような具合で交差点を窺って、ビルの上階に潜んでいる歩兵と撃ち合う。

 装甲板でかなり弾いている。敵がこちらの装甲板の隙間を狙っているのもだんだんわかってくる。じっとしていると本当に抜かれるから小刻みに屈伸する。こういう動きは装軌車・装輪車よりも多彩にできるんじゃないだろうか。

 敵の無力化判定が少しずつ積もっていく。

 ある程度押さえたところで突っ込んで左手の建物に撃ち込み、右手の建物に張り付く。

 すると左奥の通りからピジョンホーラーが一輌向かってくるのが見えた。

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