第2話
私はトウゴくんに駆け寄ってトウゴくんから原稿を取り上げました。
「マイマイ…」
トウゴくんが泣きそうで私も泣きそうでした。
「どうしたの? トウゴくんの大事な作品じゃないっ!」
私は怒っていました。
だって私はトウゴくんが私の隣りでこの漫画を描き上げるまでに悩みながら一生懸命夢中になって描いていたのを知っていました。
トウゴくんは私を見てひとすじ涙を流した。
「…マイマイしか良いって言ってくれなくって。みんなこんなもんつまんないって」
「そんなことないっ! ぜったいそんなことないよ? トウゴくんにみんな嫉妬してるんだよ」
私はほんとうにトウゴくんの漫画が素晴らしいと面白いと思っています。
「ねえ。応募しよう」
「えっ?」
「雑誌に応募してみようよ。トウゴくんの作品。ねっ?」
私はトウゴくんに出版社への新人賞への応募を必死にすすめて説得していました。
悔しかったんです。
彼の作品がこんなにも素敵なのにつぶされようとしている。
ぜったいに許せない。
そしてちゃんとしたところで評価をもらって彼に自信を持ってほしかったのです。
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