洒落た文体の中にもシビアさがこもったお話だった。香りで相手をそれと気づくのが二重の伏線になっていて技巧が光る。二人の仲がどこまでも重ね塗られていくよう祈ってやまない。
いつも来てくれる人が見ている世界。自分がいつも、思っている世界。違っているかもしれない。だけど、どこか合っている。