終章

 イヤな予感は当たっていた。友人の家に出向くことにした私の見たモノは――法事、だった。


 友人を外に呼び出し、言った。


「連絡する間もないほど急だったのか?」


 そうだ、と言われるつもりでいた、のだが。


「いや、本当は、先週の配信が終わって病院に戻って、すぐに亡くなっていたんだよ。キミが動揺するといけないからこのタイミングまで待ってもらっただけでね。16時を過ぎてそちらから連絡がないようなら、こちらから連絡するもりだった。だがキミは知る限り僕たち父娘に連絡を取ろうとしてくれたね? だから、ここに来ると、僕もキミのことを信じて、賭けてみたくなったんだ。」


――僕「も」???


「娘――聖美は、キミを信じたまま、待ちながら眠ってしまったんだ。次回で気付いてくれる、きっと来てくれる、そう言いながら、眠ってしまったんだよ――永遠にね」

「な、じゃあ、私は――」

「いや、責めやしないさ。ただ、ひとつだけ僕からお願いがあるんだ。」


 言って、焦点の合わない目をこちらへと向けてくる。


「僕のことをとして、VTuberにしてほしいんだ、素材ならいくらでもあるだろう?」


 断れるわけのないお願いだった。






《Youtuberになれなくて - God bless you -》 完

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YouTuberになれなくて - God bless you - 天照てんてる @aficion

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