第9話 次回配信予定日
2人での配信も滞りなく進み、終わりに近づいた頃に、視聴者から「次回の2人配信はいつなの?」と訊かれた。
姉妹は顔を見合わせて首を捻り、しばらくしてから「「毎週木曜?」」とハモった。
聖美のチャンネルと彼女のチャンネルに、【毎週木曜日16時、姉妹で配信!】と案内バナーを付けて、「じゃあ、また来週、よろしく」と私は言った。彼女は、「どーだろね、わかんない☆」などと言っていたが、ただの照れ隠しだろう。バナーまで付けておいてやっぱりやめますなんて言うような子じゃないことは、もうとっくにわかっている。
こんな配信パートナーがいれば、安心してこれからも聖美の配信を続けていくことができるな、と、少し安心したのであった。何しろ聖美は実際に存在しないのだ、学校名を訊かれても言わないだけの彼女とは違い、そもそも言えないのだ。そして、言わない理由を妹に叱られるからだと言っておけば、彼女の株も上がるという寸法だ。
あっという間に1週間が過ぎて、新しい木曜日が来た。が、16時になっても彼女は来ない。そんないい加減なことをする子ではないし、そもそも何かあったのなら友人から連絡のひとつも来ているはずだ。
――イヤな予感がする。
慌てて友人に電話をかけようとするも、オフライン。LINE、Skype、facebook、Discordなどなど知っている連絡先すべてにかけても繋がらない。まさか――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます