6.おまえらが大好きなタイトルのはなし。
おれ、既読。
前回は作品を読んでもらえるようになるために、フォロワーをつくることが重要であると述べた。今回はその前段階として、第1話を読んでもらうために必要なことについて書く。
第1話を読んでもらうことは非常に重要だ。
なぜなら、いざ短期間で1作書き上げようと一念発起してみても、投稿を開始して数日、ぜんぜん読者がいない状況に陥れば、おまえは簡単に書くのをやめてしまうからだ。
前回のおさらいをしておこう。
おれはフォロワーを増やすには次のようなハードルがあると書いた。
1.作品に目をとめてもらう
2.作品をクリックしてもらう
3.第一話を読んでもらう
4.第二話を読んでもらう
5.飽きさせずに読めるところまで読んでもらう
6.続きを読みたいと思わせる
7.フォローボタンを押させる
今回の話は、1番から4番までに関係することだ。
■強いワードで興味を引け
おまえらがラノベのタイトルに一家言もっていることはよくしっている。
おまえらはタイトルについて論じるのが本当に好きだ。
長いタイトルがいいか短いタイトルがいいかで3回ごはんを食べる。
だが、そうであっても、自分の作品につけるタイトルについて冷静に考えられているかというと、意外とそうでもない。
おまえらは自分の作品のタイトルをつけるときに、ふん囲気や語感を重視してしまいがちだ。
そのきもちはわかる。
だが、カッコいいタイトルは書店で手に取らせるためならともかく、表紙も帯もないWebではあんまり効果てきではない。
まずはタイトルで伝えるべきキーワードを厳選しろ。
おまえの作品でもっとも魅力的な部分をひとことかふたことで表現しろ。
おれは今回、自分の作品についての魅力を「性欲の強い女子高生」だと考えた。
しかし、タイトルが「性欲の強い女子高生、三田村」だと、なんだか「美しい魔闘家、鈴木」みたいでバトル漫画のふんいきを帯びてしまう。
おれの小説はバトルものではない。
そこで『三田村さん、性欲をもてあます。』と言葉を変えた。
言っていることは「性欲の強い女子高生、三田村」と大して変わらない。
なお、おれは意外とおくゆかしいので、性欲という強めのワードを女子高生というワードと並べると露骨すぎて嫌悪感が出てしまうことを恐れて、タイトルから女子高生というワードを落とした。
本当は性欲も落として『三田村さん、もてあます。』にしようと思ったのだけど、それじゃあWebでは弱すぎるのだ。なんらか強いワードで表現しないと、同じ書体のタイトルがいくつも並ぶ中では目に留まらない。
そう、だいじなのは、強いワードを入れることだ。
おそらくもっと激戦区の「なろう」では、「最強」など流行のワードをタイトルに入れることが非常に重要になっているのだろう。
今日(2月14日)のハイファンタジー日間ランキングを見ると、上位5作品中じつに4作品のタイトルに「最強」が入り、残り1作品にも「レベル99」という言葉が入っていた。
ちなみに週間ランキングは5作品とも「最強」だった。
このように、現環境で強いワードがはっきりわかっている場合は、そのワードを中心に作品を構成する戦略がとられるほど、「タイトルに強いワードを入れる」ということは重要なのだ。
これは決して「なろう」だけの特殊事情ではない。
自分の作品の魅力を、人の興味を引くようなワードにして伝えろ。
それがタイトルワークで最も重要なポイントだ。
■おまえの作品のタイトル、おまえならクリックするか?
タイトルで興味を引けたからといって、クリックされなければ意味がない。
だから、タイトルを考えるときは、同時に「そのタイトルでクリックするか?」を考える必要がある。
タイトルだけで「読んでみたい」と思わせてクリックさせられれば最高だ。
それが難しければ、「なんだこの作品は?」と思わせて、もう少し詳細を知りたいと思わせることだ。
カクヨムの場合、ランキングや新着一覧ではタイトルといっしょに「紹介文」が掲載される。
タイトルに入り切らなかった情報は、「紹介文」で補うこともできる。
おれが今回、タイトルから「女子高生」というワードを落としたのも、この機能があったからだ。
タイトルから落としても、その下の紹介文の先頭に入れておけば、タイトルで興味をもってくれた人は少なくともここまでは読んでくれる。
ただし、ここで気を付けなければいけないのは、読者は紹介文のすべてを読んでくれるわけではないということだ。
ランキングや新着一覧でも、紹介文は80文字程度で切れてしまう。
紹介文すべてを80文字に収める必要はないが、タイトルを補完するという意味では、少なくともここまでに情報を詰め込んでおく必要がある。
ちなみに紹介文はツイッタやブログにURLを張り付けたときに表示される情報(OGP)にも含まれる。ここでも表示されるのは80文字程度なので、この文字数を意識しておくことはとても重要だ。
このタイトルと紹介文(冒頭)で、おまえは読者を引き込まねばならない。
そう考えたとき、おまえの作品のタイトルは人の興味を引くのに十分なパワを備えているか?
おまえの紹介文は、第1話をクリックさせるのに十分な動機を読者に与えられているか?
ちなみに、おれが今回書いた紹介文の冒頭は、
「孤独な女子高生、三田村えりの趣味は、オナニーをすること。」
だった。
■とはいえ頑張りすぎてはいけない
ここまでタイトルワークの重要性を述べてきたが、強いタイトルをつけようとして作品とタイトルが乖離してしまうのは避けなくてはならない。
なぜなら、おれたちの当面の目標は「作品/作者をフォローさせること」であって、第1話をクリックさせるのはゴールではないからだ。
強いタイトルにひかれて第1話をクリックした読者は、第1話を読んで違和感を抱くかもしれない。
「なんだァ~これはァ~!? タイトルと内容が全然ちがうじゃあねえかッ!」
そう感じさせてしまったら、読者は第1話のとちゅうで離脱してしまう。
さらに言えば、そう感じた読者はもうおまえをフォローなどしない。
読み進めてもらうためには、当然のことながら、タイトルや紹介文と本文の内容とが噛み合っていないといけないのだ。
タイトルは強く、しかしおまえの作品の魅力をしっかりと捉えたものにしろ。
それが読者をおまえの作品に引き込むための、第一の関門になる。
コンセプトとプロットをちゃんと用意しておけば、たとえストックがなくても、タイトルと本文が大きく乖離してしまうことはないだろう。
少なくとも、作品を公開する前にコンセプトまでは固めておこう。
■第二話を読んでもらうのはすげーむずかしい
おれがWeb小説を書き始めたころ、何作書いても第1話から第2話の間で約50%の読者が離脱する状況が続いた。
タイトルを誇張していたわけではない。
単純に、第1話で切られていたのだ。
じつは、第1話を読ませるのと同じくらい、第2話を読ませるのは難しい。
だから、第2話を読ませるための方法については、おれもずいぶん考えた。
次回は、その方法について書こうと思う。
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