大きな出来事があった後の主人公の生活の一コマが、非常に丁寧な筆致で描かれています。彼とその家族の軌跡などは、必要最低限の語りで留められているのですが、その背景を確かに想像できます。さりげない言葉で、彼の生活の変化と変わらないものを、しみじみと読み取れるお話です。
あたり前の出来ごとや当たり前の日常は、それに慣れているからこそ感じられないものです。冬のよさを感じられる作品でした。