第3話ー友情LINE2ー

「逞、ちょっとお前に謝りたいことがあるんだ。」


帰宅直後、いきなり玄関で話しかけてきた和晴(はる)は、そのままLINEの画面を見せてきた。


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―和晴

『彩凪(さな)ってさ、好きな人とかいないの?』



―彩凪

『えっ...』

『いる...よ?』



―和晴

『誰?』



―彩凪

『えっと...』

『和晴』

『です。』

『よかったら付き合ってください。』



―和晴

『よろこんで。』

『こういうのって画面越しでも恥ずかしいんだね。笑』


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俺の好きな人は、彩凪だった。


「は?これ...。和晴、お前彩凪と付きあってんの?

まあいいや。俺好きな人変わりそうだし。でも、絶対お前には教えねー!」


今のは、半分ホントで半分嘘。好きな人が変わりそうなのは本当だけれど、弟と好きな人が付き合ってるのはショックだった。だから、「まあいいや」なんてことは微塵も思っていない。むしろ悔しい。


「おい、待てよ逞。ごめんって。でも僕、彩凪とずっと付き合い続ける覚悟でいるよ?だからさ、逞には応援していて欲しい。その...好きな人が弟に取られたなんて、認めたくないとは思うけど...。


黙ってしまう和晴。


「しょうがないな。許すよ。その代わり、約束しろ。彩凪を泣かせんなよ。」


「わかった。約束な!」


こうして再び友情(?)を取り戻した俺たちは、今日も切磋琢磨しながら成長している。顔や身長こそあまり似ていない俺たちだが、今までもこれからも、最強で最愛の兄弟だ。

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