怪獣モラトリアム

作者 亜未田 久志

29

10人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!


主人公慶一朗のだらだらしたいという
願望は『怪獣研究会』という名ばかり
の部活動として形になった。
そんな、彼の「なんとなく過ぎていく
日常」を終焉へ向かわせたのは『伝説
の怪獣』という非日常。
それは、子供の彼らへと襲いかかる。

『当時者』となった。

その現実に対する登場人物それぞれの
選択、行動に「自分は、一体誰に近い
だろう」と、いつのまにか考えていた。


最初はただ、ファンタジー作品であり
ながら、ややホラーな展開にドキドキ
していただけだったのに。

序盤から個性的な登場人物達の軽快な
ノリに乗せられ、あれよあれよと読み
進んでおり……気がつけば、あっという
間に物語は最終局面を迎えていた。

ここでハッキリとみえる、作者からの
メッセージ。

作品のキーワードは読んで字の如く。

『怪獣』そして、『モラトリアム』。
この2つである。

秀逸なタイトルはやはり、読者の期待
を裏切らない。

そのことを証明してくれる作品だ。

★★ Very Good!!

こちらの作品は死体ではなく怪獣探し(笑)
子供の頃はなんでも冒険。
むしろ冒険自体を探してた。

怪獣を探すまでは子供の冒険でも、見つけて呼び出した後は大人の社会への入り口に立ってしまう。

子供から大人になる為の前段階が、主人公達には"怪獣探し"だった。

ラストは、あの名曲が聞こえてきそうな切なさがある……

★★★ Excellent!!!

淡々としつつも切なげな三人称により小気味よく綴られる場面達は、変わり映えしない、けれど失えば寂しくなるだろう等身大の青春を丁寧に紡ぎ出す。

そんな愛おしい日常の中に突如放たれる異分子、怪獣の顔や謎の少女の言葉などがゆっくりと、しかし着実に主人公達の生活に影を落とし始める。

その先に待つものとは何か。
日常は守られるのか。

答えはあなたの目で確かめてください。
また、怪獣等に興味のない方も是非触れて欲しい作品です。
きっと期待を裏切ることはないでしょう。