【詩】噴水

根はおしよせる怒濤のように

しずかな時の平衡に逆らい

いとも烈しく力強く

生命の最初のしぶきをふきあげる

葉はあつい擦硝子のように

午後の光が当たっては砕け

絶え間なくながれみだれて

よるべなきその形をあらわにする

天辺は踊る楽譜のように

一呼間ばかり休止を与え

その肩をそびやかしては

息を呑む間に辷り落ちてゆく


瞬きごとに

みずからを新しくして

この胸を陶酔で浸してしまう

メリュジーヌ オンディーヌ

この世でもっともとらえがたく

もっとも清らかに謎めいた

あの透明な木のなかに

私は溺れてもいい

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