【詩】アブサン

魂の底に

しんとひかえて

音もなく

おまえは微笑している

わが身を焼き尽くす

エメラルドの炎

そのくちづけは

たちまちのうち

ため息と変わり

虚無のうしろへ姿をかくす

おまえはもうそこにいない


限りなく暗鬱な夜に

わが目尻の荒野をかけゆく

なつかしき幻想の奔馬

届かなかった

遠い日の

情熱的な旋律の

入り組む襞の

むさぼる快楽の

あらゆる罪の

夢の続きの

ああ


残された

贋物めいた氷さえ

鉤爪のように

私をとらえる

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