そして!!!
整骨院の先生は、エコーで腰をみながら、
「腰がゆがんでいますねぇ」と言った。
そしてマッサージをして「牽引」という機械にかけ、腰を引っぱった。
私は新たな世界へ来たかすかな期待と、大きな不安から落ち着かなかった。
料金を払う。とくに問題はなし。
整骨院の掛け時計をみる。
7時過ぎの時刻を指しているが、午後なのか午前なのか分からない。ここは8秒違いのパラレルワールドだから。
そして自分の時計を見る。
・・・おや、私の時計も同じ時刻を指している。
よくみれば、私の腕時計は、いつもと上下逆になっている。
すなわち時計のリューズが指の方ではなく、腕のほうを向いている。
どうやら私が「11時45分」だと思ったのは、この上下の見間違いだったらしい。
その後、帰宅しても翌日出勤しても何だ変わらない日々が続いている。
まことに歪んだ欲望の、虚しい日常である
ホテルウーマンの歪んだ日常 高秀恵子 @sansango9
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