第40話 開拓28日目 ドアと窓の施工
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[ 開拓28日目 ]
この日は朝から天気も良く、引き続きの作業日和となりそうだった。
今日は昨日ホームセンターで購入してきた資材を使って窓とドアを作成し、小屋に取り付けていく。
この小屋は正面に一つのドアと、短辺の下部壁パネルとロフトに面した上部壁パネルの二つの部分に窓を設置する様に設計してしているため、それらのサイズに合わせた自作のドアと窓を作成し、小屋に設置していく。
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ドアと窓を設計する上で重要となるのは『気密性』である。
ドアや窓は閉じた時に上下左右の隙間が埋まり、外の風がまったく中に入ってこない様にすることが望ましいが、ドアも窓も稼働部品なので塩梅が難しいのだ。
理想は軽い力で「スッー」と開き、また「ピタッ」と閉じるものであるが、それには高い工作精度が要求されそうなことは容易に想定できた。ギリギリに作れば少しの歪みでもそれが開閉時の抵抗につながってしまうのだ。
そこで今回はあえて余裕を持たせた作りにすることで、多少の隙間は許容することとした。後で隙間が気になる場合は、両面テープにスポンジが付いた隙間テープを貼ればよいだろうと考えたのだった。
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[ ドアの製作 ]
まずドアの作成から着手する。
今回、ドアは市販品のレバーハンドル式ドアノブを用いた一般的な外開きのタイプとすることにした。このドアノブには鍵も付いているので、ドア枠にその受け金具を取り付けることで防犯性を高めることもできるのである。
ドアは『フラッシュ構造』と呼ばれる、木材で作った枠の表面に合板を貼る方法を採用した。フラッシュ構造では内部を中空にすることができるので材料も少なく済み、重量を軽量化することもできるのである。
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まず使用する木材を加工していく。
角材や合板の加工作業はもう何時もの作業と言ってもよいほど慣れている。作業が途中で途切れない様にあらかじめまとめて墨付けを行い、順にテキパキと丸ノコで切断していく。
出来上がったパーツを合板に上に置いて仮組みし、問題がないことを確認してからこれまでの施工で余っていた屋内用木材保護塗料を塗って乾燥させておく。
木材を乾燥させている間に、ドアノブの受け材となる部分にドアノブを取り付けるための穴あけ加工を行う。
ドアノブには「ドアノブ自体を通す穴」と
またラッチが当たる部分の枠材には「ラッチ受け金具」がちょうど埋め込まれる様に小さな溝を作る必要があるので、ノミと金づちを用いて刻みを入れていく。
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木材の加工が終わった後、組み上げを行う。
一般的な方法の場合、ドアを美しく仕上げるために表面の見える箇所にはなるべくビスは使用せず、木工用ボンドなどの接着剤と用いて合板とドア枠材を接合するが、今回は時間もあまり無いため普通に木ネジを多用してビス留めすることとした。
今回のドアでは採光窓も用いておらず、全面が合板貼りで構成されているので非常にシンプルな見た目となった。これをより山小屋らしい見た目にする装飾や塗装は後日行いたいところである。
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[ ドアの設置 ]
壁パネルの開口部にドア枠を設置したと、ドア本体を設置する。
ドア本体はその上下がそれぞれドア枠からわずか5mmほど隙間が開く様に設計してあるので、その5mm分の高さとなる様に下にダンボールを敷いてかさ上げした状態で蝶番でドア枠に本体を固定する。
この作業は、ドアを水平に固定することがなかなか難しく、何度か固定をやり直しをすることとなった。ドアはほんの少しでも傾いていると気になってしまうのである。
ドアの取り付けが終わった後、何度も開閉して具合を確かめて大丈夫そうであることを確認した。
ドアがあるというのはとても良いことだと改めて実感した。ドアという部品は住居を住居たらしめている重要な要素なのである。
最後にドア枠にドアの稼働を制御するストッパーとしての役割を持つ『戸当たり』という細木を取り付けて、ドアの施工を完成させた。
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[ 窓の製作 ]
次に窓の製作に移る。
小屋には短辺の下部壁パネルに大きな窓と、ロフト部分に小さな窓を取り付ける様に開口部を設けているため、この二つを製作し設置していく。
小屋建築に用いられる窓はドアと異なり様々な形式が存在するため、どれを選択するか悩ましかったが、今回は強度及び製作の単純さを考慮して『跳ね上げ式窓』とすることにした。
この跳ね上げ式窓は窓枠上辺に蝶番で窓本体を留めるだけという単純な形状のものであり、『突っかい棒』を使うことでその解放状態を維持することができる。錠も窓枠の内側に太い貫抜を取り付けるだけで十分なのでとてもシンプルに作成することができるのである。
また今回、窓には加工が難しいガラスではなく『ポリカ中空ボード』を使うことにした。これはプラスチックの一種であるポリカーボネートで作られているため加工が簡便で、厚みはあるものの内部が中空となっているため軽量で断熱性も高く、窓ガラスの代用品として理想的な素材と言えるものであった。
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[ 窓の設置 ]
木材を加工し、窓枠と窓本体を作っていく。
そしてカッターナイフでポリカ中空ボードに切れ目を入れてから折り曲げて切断し、内部に削りカスなどが入らない様にテープで切断面を塞ぐ。
次にそれを同じサイズで作った窓本体の木枠で前後からサンドイッチする様にはさんでいく。
本来であれば木枠にわずかに溝を入れて、ガラスをはめ込む様にポリか中空ボードを設置するべきかもしれないが、今回は直接木枠で挟み込んでしまうことでボードと木材が接する面積を多くし、外からの強い風圧にも耐えらるようした。
そして完成した窓枠と窓本体を壁パネルの開口部に設置していった。
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朝から始めた作業は夕方頃にやっと終えることができた。ドアと窓の施工にはかなりの時間が掛かってしまったが、両方の設置を完了させたところで今日の作業は終了とすることにした。
ドアと窓を備えた小屋は、多少の隙間は残るものの内部が密閉された空間が確保され、より居住空間として完成に近づいたと言える。
小屋づくりの作業も残すところあと少しだ。
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--経過--
進入路の工事 完了
資材の購入(基礎・土台) 完了
資材置場(仮)の建設 完了
基礎工事 完了
資材の購入(床材・壁材) 完了
土台 完了
床の施工 完了
資材の購入(屋根材) 完了
壁の施工 完了
透湿防水シート 完了
野地板の加工 NEXT
屋根の施工 進行中
垂木の加工 完了
垂木の固定 完了
転び止めの設置 完了
屋根板の貼り付け 完了
ルーフィング材の設置 完了
仕上げ材の設置 NEXT
ドア・窓の施工 完了
追記
皆様続きをおまたせしましてすみません。なろうのエッセイジャンルでコメディものを書いてしまったらそれなりに受けてしまったのでしばらくこちらは小屋完成を目前に休止してしまっています…
いずれ必ず再開いたしますので、しばらくお待ちいただけましたらと思います 2019.03013
山奥の土地を買って自分ひとりで小屋を作る話 軽石 @ebikani
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