異世界召喚された俺の日常生活
@kairisama
第0話 異世界召喚
「「ありがとうございました」」
コンビニを出た俺は家に直行した。
手に持っているものは飯が入った袋、そして段ボール箱1つ。
「っしゃ!予約必須、数量限定品のアグノのフィギュアゲット!ついでに新作ゲームも買ったし、家に帰って早速遊ぶぜ!」
そう。俺こと宅野 隆騎は二次元オタクだ。
俺には親がいない。
と言うよりは親として見ていない。
母親早くに死んでしまったため、親父と二人暮らしだった。
しかし、親父は仕事が忙しく家にはろくに帰ってこない。
だから親としては見ていないのだ。
親と言うより同居人と言った方が聞こえは正しい。
親らしいこともされていない。
強いて言えば光熱費を払ってくれているくらいだろう。
俺にとって親とは、そのくらいの存在なのだ。
そんなことを考えているうちに家に着いた。
「さーてといつも通り、プレイしますか」
〈ユーザーIDを入力してください〉
「takuno0927っと……ん?何でログインできないんだ?」
〈ユーザーIDが違います〉
何度打ち込んでもこの表記が出てくる。
嫌気が差した俺はゲームをやめようとした瞬間、見知らぬコマンドが勝手に打ち込まれていった。
「やべぇ…バグった」
『……あー…あー…聞こえるかな?んー?』
これは音声チャットだ、相手は女。
「聞こえてますよ」
『おー!よかった。初めて私の名前はセーリあなたがタクノ リュウキ?』
なんでカトコトなのかわからないが俺の名前を知っていることに驚いた。
「なんで俺の名前を!?」
『まぁ、いいじゃないか~♪ところで君は異世界に行きたいと思ったことはある?』
「あぁ、こんなとこより異世界の方がいいな」
『理由はあるのかい?』
「親もいない、やることもない、見捨てられた。こんな世界では俺みたいな人間はゴミ同然なんだよ」
『こんな世界に生まれたことを後悔しているのかい?』
俺はこの時迷った。
確かに苦痛な世界だ。
だが楽しくないわけでもない。
ただ……
「異世界…なんてあるのなら俺はそっちの世界に生まれかったな」
『ふふっ、そうだ!君は異世界に生まれるべき存在なんだよ!さぁ、おいで異世界…
"アラウンドワールド"に!!!!』
突如、世界が光ったかのように俺を包んだ。
「うわっ!!!!」
目を開くと、そこは紛れもない"異世界"に
俺は存在していた。
「な、なんじゃ!ここはァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「やぁ!君がタクノ・リューキだね!」
「だ、誰だお前!?」
「私の名前はセリーヌ・ド・マインよ」
どこかで聞いたことのある声だった。
しかし思い出せないかった。
俺は恐る恐る質問した。
「こ、ここはどこだ?」
すると意外な答えが帰ってきた。
「ここは君が理想としていた世界。
異世界"アラウンドワールド"だ!」
「異、世界…ア、アラウンドワールド?」
こうして俺の異世界での日常生活物語が幕をひらいのだ。
異世界召喚された俺の日常生活 @kairisama
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