神の命令
「──起きろ!なみ、那美…」
この声ってまさかあいつ?龍喜?
なんであいつがここにいるの?
返事をしようにも寝起きの瞼と体は重くて動かない。
「…起きないな…まぁ、暫くしたら起きんだろ…」
あっさり見捨てやがった……。
地味に心に刺さる…ショックだなぁ…。
…………龍喜がスタスタとここを去っていく足音が聞こえる…本当に見捨てやがった。
「あぁムカつくー…なんで起こそうとしたんだし。」
やっと目が覚めて寝ていたベンチから上体を起こし、座った。そして今更になって気付いた。
「あれ…この世界で私が住む家ってどこ?」
そして寝起きの頭に流れ込んできたのは『お祈りをすればいいんじゃね?』という簡単な答えだった。そして私は指を組み合わせた。
「──那美!そろそろ聞かれると思ってたよ〜!よく私に聞いてくれたね?テミス様に聞くと思ってたのに。」
「迷惑でした?すみません。」
「そんな事ないよ!ありがとう。お祈りされた神は信者に支持されているって事で神界ではお祈りされた神は格が上がったりする訳なんだよ!昇格ってやつ。んで、家はね結構大きいからパレイソンっていう街に行ったらすぐに分かると思うよ他の建物よりもでかいから。公園を出たら、一番最初に出会う人に聞くといいよ。後々、那美の仲間になってくれる人だから。」
「わかりました。行ってみますけど、分からなかったらまた聞きますよ?」
「多分大丈夫だよ〜」
終始ニコニコしているリータ様に不信感を抱きつつ、寝ていた公園から去ろうとすると…
「ちょっと待った!」
焦った様子のリータ様が大きな声で突然呼び止める。
「どうしたのですか。」
私も自然と焦ってしまう。
「那美。あなたがこの世界に転生させられた使命を忘れては居ないだろうね?」
「勿論です。何でも屋をやれって言うことですよね?」
「忘れてないのならいいんだよ。そして、受けた依頼は必ずやり遂げること。いいね?」
「何があっても、ですか?。」
「そう、何があっても。」
「拒否権は……?」
「転生した時点で既に無い。」
「では仕方無いです。──やります。」
「これを言うのは私も辛いけど、貴方の再転生にはこの困難は必要なものなんだよ。許して欲しい。」
「女神様も大変なことくらい、転生の時の言い争い?を聞いたので知っていますよ。お疲れ様です。」
「では、頑張ってくださいね。」
「ありがとうございます。」
そう言うと、リータの声は聞こえなくなった。
「よし、頑張るぞ!」
私は自らの頬を両手で叩き、公園の出口へと向かった。
気付いたら異世界だったので昔の記憶使ってスローライフ満喫します! 夢咲 零於 @Leo_4b
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