終章 神様の十八番

 頬を撫でる柔らかな風に促されるように、私はゆっくりと重たい瞼を持ち上げた。部屋に満ちる白い光の眩しさに目を眇めながら見えたのは、どこか見覚えのある白い天井だ。

この天井は、どこで見たものだったか。そして、私はどうしてこんな所で寝ているのだったか。目覚めたばかりの霞の掛かったような頭で、そんな事を考えながら私はぼんやりと何とはなしに天井を眺める。と、突然ぶわりと意識を失う前の記憶がフラッシュバックするように蘇った。

赤い赤い炎、熱が肺を焼く息苦しさ、辺りに満ちる黒い煙、砂山の慟哭、マリアの笑い声、背から腹を貫く十字架、脳髄を焼く激痛、大きくなっていく血溜まり、それから……灯矢の泣き声。

「……っ!」

 頭に流れ込んできた生々しいほどの記憶の奔流に、私は思わず目を見開いた。

そうだ、私は死ぬはずだったのではなかったか。腹を穿たれ、あれほど血が流れたのだ。あの状況で助かるはずなど無い。それなのに何故、私は生きているのか。

 咄嗟に着ていた病院着の上から腹を手で探るが、そこに穴はない。どころか、触っても押しても何の痛みもない。あれほどの傷が完治するまでの期間、私は眠り続けていたとでもいうのだろうか。そんな馬鹿な事があってたまるか。一体、何があった。

 混乱しながらも身を起こそうとして――けれどそれは、突然開いた扉から現れた人物によって遮られる。

「……っ目が、覚めたんですね……!」

 現れたのは母だった。滅多に外に出る事のない母の姿に驚いていると、母は車椅子を急がせてベッドの傍らに寄り、私の手を握る。

「よかった……本当によかったです……っ。今回ばかりはもう、本当に駄目かと……っ」

 手に縋りつくようにしてぼろぼろと泣き始めた母に戸惑いながら、私は母のひんやりとした手をきゅっと握り返した。死をほっとしたような思いで受け入れた私に、生きていてくれて嬉しいと泣く母の姿は胸に痛い。

「私は、生きてる価値なんて……」

 言いかけた私の言葉を、母が首をぶんぶんと大きく子供のように振って塞ぐ。涙に濡れた瞳が、俯く私を見上げた。

「そんな事はありません。あなたに生きてる価値が無いなんて、そんな事は絶対にありません。少なくともあなたは私の生きる希望です、あなたを産むために生まれてきたとさえ思います。あなたが自分を無価値だと言う事は、私をも無価値にする行為です。そんなの、私は許しません」

 母のまっすぐな強い口調に呑まれて、私は思わず息を止める。母はそんな私に、涙を零しながら言葉を続けた。

「生きている価値なんて、今はわからなくたっていいんです。それを見限るのには、あなたはまだ早すぎます。いいじゃないですか、これから探していけば。そうして色々試していって、ある日突然わかるものなんです。私が、あなたを産んだ時のように。あなたにもきっとそんな瞬間が訪れますから」

「母さん……」

 母の言葉は優しく、綺麗で理想論でしかなかった。けれどそれは、暖かく痛みを伴って胸に染みていく。少なくとも、今すぐに死ぬべきだという思いはどこかに霧散していた。今の私は、母の生きる価値を否定する事なんてできなかったから。

「いつも、ありがとう……迷惑かけて、ごめんなさい」

 思わず零れた言葉に母は目を見開いて、それから嬉しそうに笑った。

「あなたからそう言ってもらえるなら、私はなんだってできますよ。嬉しいです」

 そう言った母はぐいと涙を自らの指で拭って、私の手を少しだけ名残惜しそうに離す。そして顔を上げた時には、既にいつものしっかりとした母の表情に戻っていた。

「それでは、私は今後の事を医者と話してきますから。眠かったらもう少し寝ていてもいいですからね」

 医者という単語に、私はここがどこだかを悟る。ここはうちの病院だ。幼い頃は怪我をしてよくここに来ていたけれど、灯矢が来てからは頻度が下がっていたし、ましてや入院の個室など入らないものだからすっかり忘れていた。

「わかったわ」

 部屋を確認しながらベッドから離れ、扉へと向かう母に頷いてみせる。扉の向こうへと消えていく母は、そんな私を見つめて――それから少しだけ、困ったように笑った。

「私はあなたがどうあっても、生きているならそれで構わないのですから」

「……?」

 意味深な母の言葉に首を傾げるが、追求する間もなく母は行ってしまう。一体、どういう意味だろう。その意味を考えながら私が体を起こすと、視界の端に白い人影を見たような気がした。

「灯矢?」

 その姿に思い当る人物の名前を呼びながら、そちらへ顔を向けるとそこには誰も立ってはいない。あるのは、壁にかかった鏡だけだった。けれど、その鏡の中に映った人物を見て私は茫然と目を見開く。

「……え?」

 ふらりと、眩暈を覚えながらベッドを降りて鏡に近寄る。鏡の中から見返すのは、真っ白な髪と血のような赤い瞳をもった見知らぬ女だ。私に、とてもよく似た。

 恐る恐る私が鏡へと手を伸ばすと、その女も私へと手を伸ばす。そうして鏡を隔てて指先が触れあった瞬間、私は自らの変化をようやく理解したのだった。

「嘘……」

 茫然としたまま私は無造作に自らの髪を掴み、毛先を自らの眼前へと持ってくる。その束は綺麗なほどに真っ白で、ぐいと引っ張ると頭皮に痛みが走った。これは本当に私のものなのだ。

 何故、こんな事になっているのか。再び混乱する私の視界に、ちかりと紫が煌めいた。はっとして顔を上げれば、鏡の中にマリアが微笑んでいる。

「おはよう、おねーさん。っていっても、もうお昼だから大分お寝坊さんだけどね」

 同時に背後から上がったくすくすという笑い声に振り向けば、いつの間に部屋に入ってきていたのか燕尾服を着こんだマリアは私のベッドに座って足を揺らしていた。そうして勝手に私への見舞いの品であろう石榴を手に取り、一粒一粒細い指先で器用に摘まんで食べ始める。

「……マリア」

「なんでここにって? 当然、おねーさんのお見舞いだよ。僕おねーさんの事結構好きだからさ」

「嘘吐きね」

 あれほど人を酷い目に合わせておいて、よくそんな事が言えたものだ。白々しい言葉に思わず私が顔を顰めると、マリアはつんとわざとらしく唇を尖らせた。

「心外だよ! 僕はおねーさんの事、殺したいくらいには好きだったもん!」

「……は?」

 言われた意味がよくわからなくて首を傾げると、マリアは夢見るように頬を上気させながらうっとりと口を開く。

「出会った時のおねーさんはさ、傲慢で偏屈で、我儘な性格の女王様だった。世界の全てを跪かせて、踏みつけにしてやりたいってぎらついた目をしてて。そんなおねーさんを見て、僕思ったんだ。おねーさんに死にたいって思わせたいなあって」

「……それ、本当に好きかしら」

 散々に詰られ、貶されているようにしか思えない内容に、苦虫を噛み潰したような気持ちでそう返すとマリアはきょとんとした様子で首を傾げた。

「え? 好きだよ? こんなに言ってるのにわからない?」

 わからないしわかりたくもない。何なんだその狂った愛情表現は。そもそもそれは愛情表現なのかさえ怪しい。大きく溜息をついて、頭を抱えた私にマリアはくすくすと笑う。

「もっとも、おにーさん苛めるのは趣味と興味も入ってたし、途中からせんせーのお願いも聞いてあげてたからちょっとわかりにくかったかもしれないけどね」

「先生……そうだわ、砂山は……?」

 はっとして、私は抱えていた頭を持ち上げる。マリアに連れて行かれた砂山は、一体どうなったのだろう。同じ存在を愛し、その喪失感に狂ってしまった存在の行く末を、私は知りたかった。

 マリアは指先で石榴を弄びながら、少し悩むようにして口を開く。

「せんせーはとりあえずお家に帰したよ。今はたぶん今まで寝てなかった分、寝てるんじゃないかな。僕としてはさ、先生にこのまま今までどおりの生活に戻ってもらいたいと思ってる。それが僕に嘘つこうとした彼の罰だからね。でも、せんせーのままでいられるかどうかは、結局おねーさん次第なんだよ。どうする? せんせー学園から追い出しちゃう?」

 問うように言われて、少しだけ考えた。された事を考えれば、追放は当然だ。母に言えばそれこそすぐに、社会的に砂山という人間は生きてはいけなくなるだろう。

 けれど、私は今更そんな事望みはしなかった。ゆるりと首を振って否定する。

「しないわ。砂山は、私と同じ傷を持った人間だもの」

 彼のしたことはおそらく許される事ではない。けれど、私だけはそれを許したいと思うのだ。私の言葉に、マリアはぱっと表情を明るくして笑った。

「おねーさんなら、そう言ってくれると思ってたよ」

 嬉しそうに足をぱたぱたとさせて、石榴を頬張る姿は少しだけ年相応に見えて私はそっと息を吐く。マリアはきっと砂山をそれなりに気にいっているのだろう。

「それで、マリアは今も私を殺したいの」

 気になってぽつりとそう聞くと、マリアはふるふると小さく首を振る。

「ううん。死にたいなって思ってもらう事はできたし、それに僕が好きだったおねーさんは死んじゃったしね」

 まるで当たり前のことのように軽く放たれたマリアの言葉に、私は目を見張った。

「私、やっぱり死んでいたの……?」

 意識が途切れる前の事を思い出しながら呟くと、マリアはくすくすと再び笑い声を上げる。

「そ。だってお腹に穴開いてさ、生きてるわけないじゃん。おねーさんは生き返ったんだよ。本当の神様みたいにね」

「どうして……」

 何故私は生き返ったのか。自らの腹へと手を伸ばし、そう問う私にマリアはくすりと悪戯っぽく笑った。

「そこまで言わなくても、おねーさんはわかってるくせに」

 言いながら、指差されたのは鏡。そうだ、それに映った自分を視界の端で見た時、私は誰だと思ったのだったか。咄嗟に鏡の脇に置いてあった剃刀を手にとって、私は勢いよく自らの左手首へと滑らせる。

「……っ!」

 深く一閃したそれは、肉と共に重要な血管をも傷つけたのだろう。悲鳴を上げそうになるほどの激痛と共に、傷口から赤がとめどなく溢れ出た。着ていた白い病院着が、赤く染まっていく。どくり、どくりと鼓動に合わせて流れ出していくそれを、私は脂汗を滲ませながら鬼気迫る思いで見つめた。

やけに長く感じられたその時間は、実際にはいつもと変わらず数秒ほどのものだったのだろう。不意に、溢れ出していた赤がぴたりと動きを止める。そして、できの悪い巻き戻し映像のようにそれらは蠢きだした。床に零れていたものも、病院着に染み込んでいたものも、まるで一滴一滴意思をもつように私の手首へと集って行く。それは――今までに何度も見ていた光景だった。

血が傷口から体内へと染み込んでいくたびに、痛みが消えていくのがわかる。血と肉が蠢いて、切り口がみるみる塞がっていく。そうして呆気に取られているうちに、気付けば私の手首はまるで何もなかったかのように戻っていた。

変化していたのは、髪と瞳の色だけではない。私の体ごと、別のものへと作り変えられていた。私は、黄泉から引きずり出されたのだ。こんな事をするのは、できるのはきっと一人しかいない。

「……灯矢は、どこにいるの」

「おにーさんは隣の部屋だよ。知らなかったの?」

 私の問いかけに笑って返すマリアの言葉を聞きながら、私は扉へと駆け寄っていた。扉を開いて、廊下へと走り出した私の背にマリアの声が飛んでくる。

「おにーさんにさ、もういいよって言っておいて。僕今のおにーさんにはもう興味ないからって」

 言われた事に頷く事もないまま私は廊下に飛び出して、すぐ隣の個室の扉を勢いのままがらりとこじ開けた。

「わっ!」

 突然の来訪者に驚いたのか、灯矢のそんな情けない声が上がる。うろりと視線を彷徨わせて声の発生源を探せば、そこには黒髪黒目の男がベッドに座り込んでいた。その体はあちこち包帯まみれで、痛々しくすらある。その姿に、私はぎゅっと唇を噛みしめた。

「か、神様……っ」

 私を見るなりそう呟いた男――灯矢は一瞬嬉しそうにして、それからくしゃりと表情を歪めて泣き始める。灯矢はまるで子供のように恥も外聞もなく、全身で泣いてた。

「ごめんなさい、ごめんなさい神様……ごめんなさ……っ」

 嗚咽さえ零してぼろぼろと涙を零しながら謝罪を繰り返す灯矢に、私は歩み寄ってその手を握る。姿が代わってもその手はやはり温かで、私はそっと息を吐いた。

「灯矢、私に何をしたの」

 泣きじゃくる灯矢をあやすように俯く頭を撫でながら、私は静かに問う。けれど、灯矢にはそれが糾弾にでも聞こえたのか、びくりと体を固くさせた。

「ごめんなさい……おれっ、どうしても神様がいなくなるのだけは嫌で……っ! どうしても嫌で……それで……おれの不死、神様に移しちゃったみたい……」

 嗚咽を混じらせて後半は消え入りそうになりながら、灯矢はそう言って俯く。予想していた答えに黙る私に、灯矢はぽたぽたと涙を次々とシーツに染み込ませながら懺悔でもするように言葉を続けた。

「おれの血を飲めば少しは血が流れるの止まるかなって、思ったんだ……あの時はもう必死で、それ以外思いつかなくて……そうしたら、気が付いたら神様は傷口がふさがってたんだけど、髪が全部白くなってて……おれ、神様を化け物にしちゃったんだ……って気がついた……治したかったけど、なんか上手くいかなくて……それでっ……」

 そこまで言って灯矢は耐えきれなくなったように、私に縋りついて声を上げる。私を見つめる瞳は黒かったけれど、いつもと同じまっすぐな視線だった。

「ごめんなさい! 謝って許されるようなことじゃないのはわかってる! でもいつか絶対に、おれが治してみせるから……っ! 元の神様に戻すから、だから……っ……きらいに、ならないで……」

 最後の一言は震えていて、とても小さなものだったが痛いほどの切実さを伴っていた。それを聞いて、私は我慢ならなくなって縋りついていた灯矢をそっと抱きしめる。

「……っ」

 突然の私の行動に戸惑う灯矢の声を聞きながら、私は静かに口を開く。

「大丈夫よ、嫌いになったりなんてしない……そんなの、できるわけないじゃない」

確かに、自分が人間でなくなってしまって、得体の知れない体になったというのは怖かった。ずっとこのままかもしれなくて、皆が死んでいくなかで私一人だけ取り残されて生きていくかもしれないと思うと底の知れない不安だって感じる。

けれど、私に生きていて欲しいと必死になって不死の力まで渡して、そのくせ私を変えてしまったと泣く灯矢を私は嬉しいと思ってしまったのだ。それなのに、どうして嫌えるのだろう。

灯矢から体を離して、私は腕の包帯の端をかりと小さく引っ掻いた。

「灯矢……見てもいいかしら」

「えっ? い、いいけど……」

 灯矢が戸惑うように頷くのを確認して、私は包帯をゆっくりと解いた。はらりはらりと解いてガーゼを取れば、そこには赤く、痛々しく焼け爛れた火傷が姿を現す。それを見て、私はようやく灯矢が不死でなくなったのだと実感した。

「灯矢から、私が不死を奪ったから……この傷はあるんだわ。痛いでしょう……ごめんなさい」

 今まではすぐに治っていた傷が治らなくなって、痛みがずっと続く。それは不死の体であった灯矢にとってきっと辛いもののはずだ。灯矢にとっても、自らの体が死ぬ体という得体の知れないものになってしまったのだ。不安でないはずがない。

 いつも灯矢がしてくれるみたいに、私はまっすぐに灯矢の目を見つめて灯矢の手を握る。

「いつかきっと、灯矢に不死を返してあげるわ。元のまま、灯矢が生きられるようにしてみせる。それまでは、私は自分の死を自分で受け止めるから。今まで灯矢や、皆が代わってくれたものを、その痛みを苦しみを知るの……きっとそのために、私達はこうなったのよ」

 灯矢は私の言葉に驚いたように目を見開いて、そうして困ったようにへにゃりと笑った。

「辛い思いをさせたくないって言ったら、神様はきっと怒るんだろうね。そんなに真剣な思いだったら、おれは何も言えなくなっちゃうよ。やっぱり……神様には敵わないなあ……おれ、酷いことしたって本当に、それこそ死んじゃうくらい悩んでたのに。神様は、そうやっていつもおれの罪を許してくれちゃうんだ」

 灯矢がぎゅっと繋いだ手に力を込める。温かな体温が、とくりとくりと脈打つ鼓動が掌で溶けあって私達が一つになっていくような気がした。

「不死が人に移っちゃうなんて、こんなのおれも初めてでどうすればいいかわからないし、すぐには見つからないかもしれない。でも、神様と一緒ならきっと見つけられる。おれ、なんだかそう思うよ」

 そういう灯矢は本当に嬉しそうで、私も釣られて思わず頬を緩めた。ずっと対等でないと思っていたのに、ようやく同じ場所に立てているような気がしてそれが凄く嬉しくて。

 だから私は、柄にもなくずっとずっと胸に秘めていた願いをそっと口にした。

「ねえ、灯矢。私一つだけお願いがあるのよ」

「お願い……?」

唐突に言いだした私に、灯矢は不思議そうにそう返す。私は少しだけ躊躇って……思い切って、お願いを口にする。

「神様、って呼ぶの……禁止ね」

 灯矢はそれを聞いて一瞬、ぱちりと瞬いて――それから困ったような顔をした。

「え、ええええ……! そうしたらおれ、神様の事なんて呼べばいいの……⁉」

 途方に暮れたようにそう呟く灯矢に、私は少しだけむっとしてぎゅうと握る手に力を込める。

「普通に……名前呼べばいいじゃない」

「十文字――って痛ああああああ⁉」

「そっちじゃないわよ!」

 頓珍漢な答えを返そうとする灯矢の手の甲を思い切りつねる。何故名前と言われて苗字を答えようとするのか。第一、十文字では灯矢と同じではないか。

このお願いをするのに少し勇気がいったのに。なんだか思い切り興が削げたような気持ちになって、そっぽを向くと灯矢が怖々と言った様子で私を覗きこむ。

「ごめんね……怒った?」

「……知らないわ」

 思い切りふてくされたような思いでそうつっけんどんに返すと、灯矢は少しの間おろおろとして――それからそっと手を握って口を開いた。

「ごめんね――蓮華ちゃん」

 久方ぶりに鼓膜を震わせた自らの名前は、少しだけこそばゆくて……暖かな響きをしていて。それがくすぐったくて、私は小さく笑う。

 これからもきっと、私達は誰かを傷つけて罪を重ねて生きていくんだろう。その罰に苦しむこともあるだろう。それでも、ずっと二人でいられるなら大丈夫だとそう思えた。


――ああ神様、どうか罪に塗れて生きる私達をお許しください。

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神様の十八番 鈴音 @kamaboko_rinne

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