大物っ手が欲しいときに、坊主狙わず雨に行くとなると、相手からすると、手札に芒の二枚入っているように見え、そのうえ、桜に幕がとられるとなると、かなり厳しいです。
ましてや松の影札でも持ってればいいけど持ってなかったんで、かなりのプレッシャーになったと思います。
逆に坊主から行って桜に幕がおきてとられても、一杯系のKEYになる杯が手元にあったんで、相手の役を阻止した形にも見られるので、仮に本当は狙ってなかったとしても心理的に楽になれる。
そういう意味では初手の雨に道風は妙手ですね。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
私が龍一郎と同じ場面に出くわした場合、真っ先に坊主札を取りに行く事でしょう。三笠戸との水無月戦を振り返ると、通常なら「唯一」に近い手に思えます。
龍一郎の初手《柳に小野道風》取りには、強い「三笠戸への撹乱効果」がありました。三笠戸が仮に取り乱さず、強い心で闘技を続けていれば、多少の勝算はあったはずです。
仰る通り、彼女は重要な札《菊に盃》を幸運にも最初から保持しています。「私は盃の札を持っているんだ」という心理的安定を欠いたのが、三笠戸の決定的な敗因でしょう。
戦略の詳しい考察を頂き、大変嬉しい限りでございます。改めて《こいこい》とは、技量・運気・胆力が必要な素晴らしい技法と気付かされます。
これからも是非、お気軽にコメント・ご意見等々頂ければと思います。
今後ともお暇の続く限り、拙作にお付き合い下さいませ。
小野道風さんのエピソード、面白いです!
調べてみたら、本当にそのような逸話の残る方だったんですね。
ふとスマホの花札を開いて戦績を見てみましたが、五光84回、四光101回に対して、雨四光は421回も出ていました。
小野道風さんとは親しくなれそうです(*´ω`*)
作者からの返信
偉大な書家と各所で紹介されていますが、気性が荒かったりスランプに悩んだりと、なかなかの人間くささを持っているお方です。ちょっぴり、親しみが湧きますね。
五光が84回、物凄い数ですね。私など数える程しか完成出来ていません。残念ながら、文子夕夏は賀留多は好きですが、闘技の腕はからっきしなのです。下手の横好きです。
四光と比べてやや格の下がる雨四光ですが、語感といい札の組み合わせといい、どうにも好きな一役です。
今後とも、お暇潰しに本作をよろしくお願い申し上げますと共に、一層の闘技戦力向上をお祈り致します。