第2話 復讐神
誰も、何も気付かない。分からない。
あいつも、あの女も。
ピッチャーで4番。才能も頭脳もずっと上だった。
のうのうと野球を続けるあいつが、俺を殺した原因のあいつも許せない。憎らしい。
1年前の事故で俺は死んだ。神の力は偉大だ。なんだって可能にする。自分のニセモノも簡単に作れた。誰も俺が死んだなんて思わなかった。
瓜二つのそれの片脚を無くしたのは、あいつらを少しでも傷付けるため。
こんな復讐にしたのは、より深い苦しみを堪能してもらうため。
あいつがあの女に殺されたのも俺の仕組んだ通り。あいつがあの女を殺さないのは読み通り。
ニセモノは今日も死に続ける。ホンモノは今日もほくそ笑む。
ニセモノは誰にも気付かれない。ホンモノは誰からも相手にされない。
ニセモノは愛される。ホンモノは忘れ去られる。
永遠の時間に囚われたあいつが大切な
永遠の時間の中に囚われたあの女には永遠の死で永遠の苦しみを。
ホンモノは俺。ニセモノは俺。
ーーーー復讐完了。
復讐神。神様になりました メガネ男爵 @tacosu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます