第197話 パウロ ローマでの軟禁生活

 パウロ宣教団は、ついに念願のイタリアのポテオリに到着しました。

 ポテオリ港からローマまでは徒歩210㎞あります。歩きます。歩く、歩く、歩きます。


「アピウスの市場」三軒宿に着くと、ローマから来た仲間のクリスチャンが出迎えてくれます。


 ローマから三軒宿まで60㎞歩いて来た仲間に、パウロはとても励まされます。きっと、難破した話、マムシに噛まれた話をしたことでしょう。


 パウロはローマに着くと、家を借ります。裁判を待つ間、ローマ兵の監視下、伝道することは許されたのです。


 旅の疲れを三日で癒すと、パウロは借家にユダヤ人の主だった人を招きます。


「皆さん、兄弟たち、私は民に背く事や父祖たちの習慣に反することは何もしていないのに、エルサレムで囚人とされ、ローマ人に引き渡されました。ローマ人は私を取り調べましたが、処刑の根拠がなかったので、釈放しようと思いました。ところが、ユダヤ人が反対したので、カエサルに上訴するしかありませんでした!私はイスラエルの希望の為にこうして鎖に繋がれているのです!」


 そうです、パウロは家の中でも両手に鎖です。

トイレ面倒なんですけど!(怒) 卑猥なプレイ好きって疑われるんですけど(怒) 


 ユダヤ人の主だった人たちは、パウロから直接話を聞いて、他のユダヤ人に伝えます。


 パウロの元を大勢のユダヤ人が、順番に訪れました。

「パウロは朝から晩まで、神の王国について徹底的に教えて説明し、イエスについてモーセの律法と預言者の書の両方から説得しました」


 もし、パウロが健康器具販売してたら、成績トップでしょう。朝から晩まで熱心に、来る人、来る人に良さを説明し、説得したら……買う!


 興味深い事に、パウロの話は聞く者と聞かない者、つまりクリスチャンになる者とならない者を分けていったのです。


 イエスの同族ユダヤ人でもならない人がいました。パウロを監視していたローマ兵がクリスチャンになりました。信仰は人種、生まれた国関係ないのですね。イエスとイエスを遣わした神様を信じるか、信じないかは心一つですね。


「パウロは自分の借りた家に二年とどまり、そのもとに来る人を皆、親切に迎えました」


 ルカはこう締めています。えっ?終わり?

 カエサルの前には立ったんですか?裁判は?


 パウロはどうなったのですか?釈放されたんですか?最期はどうなったの?


 疑問ばかりで、不完全燃焼ですよね。その点はパウロ本人が書いた手紙に触れたいと思います。


 先にその手紙が書かれた場所と、時期についてお伝え致します。新約聖書の順番通りです。



書名        場所    書いた年

ローマ人への手紙✉ コリント    西暦56年


コリント人への  エフェソス     55年

手紙第一     三回目の宣教旅行中

コリント人への  マケドニア     55年

手紙第二     三回目の宣教旅行中


ガラテア人への  アンティオキア  50~52年

手紙


エフェソス人への ローマ      60~61年

手紙

        

フィリピ人への  ローマ      60~61年

手紙


コロサイ人への  ローマ      60~61年

手紙


テサロニケ人への コリント     50年

手紙第一     二回目の宣教旅行中


テサロニケ人への コリント     51年

手紙第二     二回目の宣教旅行中


テモテへの手紙第一 マケドニア   61~64年


テモテへの手紙第二  ローマ    65年


テトスへの手紙   マケドニア   61~64年


フィレモンへの手紙  ローマ    60~61年


ヘブライ人への手紙  ローマ    61年


 次回、各手紙の中から、ハナスの独断と偏見でパウロの語った好きな言葉をお伝え致します。


 パウロの生き方が垣間見えたらいいのですが。

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