第198話 パウロ パウロの手紙
「神の見えない特質は、造られた物を通して認められるので、世界の創造以来明らかです」ローマ人への手紙1:20
ヘブライ語聖書の神様が、創造者であると信じられる理由について書いています。
女性が妊娠して出産するまで、体の造りが色々変化しますね。血液型が違っても親子間で交ざらない仕切り、産み落としたあと、泣き声を聞くとオキシトシンという脳内ホルモンが出て、母乳が出る仕組み……神様の優しさ、知恵、愛を感じます。
「私は植え、アポロは水を注ぎました。しかしそれを成長させて下さるのは神なのです!」コリント第一3:7~9
雄弁なアポロと共に伝道した時の言葉です。パウロ派とアポロ派に分裂しそうになったので、パウロは信仰の成長は神によるもので、人間の力ではないことを教えました。
「私には次の法則が当てはまります。正しいことを願うのに、自分の中には悪があるということです。私は内面では神の律法を本当に喜んでいますが、自分の体の中では、別の律法が私の思いの律法と戦い、虜にして罪の律法へと引いて行くのを見ます。私は実に惨めな人間です!こうして死につつある体から、誰が私を救い出してくれるでしょうか。私たちの主、イエス・キリストを通してただ、神に感謝すべきです」ローマ人への手紙7:21~25
イエスの弟子殺害に間接的でも賛成してしまった時の事を思い出したのでしょう。自分は罪深い不完全な人間だという事を忘れず、救いをもたらすイエスの死に感謝しています。
「絶えず祈りなさい!全ての事に感謝しなさい!」テサロニケ人への手紙5:17
パウロは祈りの力を信じる人でした。と同時にいつも感謝を述べる人でした。
「何事も闘争心や自己本意の気持ちからするのではなく、他の人が自分より上であると考えてへりくだった思いを持ちなさい!キリスト・イエスにあったこの精神態度をあなた方のうちに保ちなさい!」フィリピ人への手紙2:3~5
いつもイエスがお手本のパウロは、大祭司アナニアに対しても、敬意を持って接しましたね。ローマ総督にも、アグリッパ王にもへりくだった態度を示して、フィリピ会衆の模範となりました。
「誰かに対して不満の理由がある場合でも、引き続き互いに忍び、互いに惜しみなく許し合いなさい!これら全てに加えて愛を身につけなさい!」コロサイ人への手紙3:13~14
パウロはカエサレアで二年、ローマで二年の拘禁生活を強いられました。根拠のない訴えの為に鎖の生活です。訴えた者を許し、監視するローマ兵にも愛を持って接しました。愛の使徒です。
「しかし、あなたは、私の教え、生き方、目的、信仰、辛抱強さ、愛、忍耐、迫害、苦しみに堅く従ってきました。……キリスト・イエスにあって敬虔な専心のうちに生活しようと願う人は皆、同じように迫害を受けます。しかし、あなたは、自分が学びまた確信した事柄に引き続きとどまっていなさい! ――主があなたと共にいて下さいますように」テモテへの手紙第二3:11~14 4:22
これはパウロが西暦65年、テモテに書いた最後の手紙です。この四年前、パウロはネロ皇帝の前に出て、無実を宣告されました。そうです!釈放されたのです。
釈放後、クレタ、ニコポリス、トロアスに宣教旅行しました。自由の身です。しかし、64年ローマ大火事件発生。
皇帝ネロはクリスチャンに罪を着せました。またクリスチャン迫害が起きます。
ニコポリスで伝道していたパウロは捕縛され、また投獄されます。
西暦65年、一番愛したテモテに手紙を書きます。辛い時、いつも共に忍耐し従ってきたテモテを褒めます。そしてこれから迫害にあっても主イエスが側にいて下さるので安心するように。と。
ローマ投獄中、ルカも他の仲間も自らの命を顧みず、パウロを励ましに来ました。
パウロは、自分の死が近いことを感じとり、アクラ、プリスキラなど一人一人の名前を書いて感謝を伝えています。
手紙を書いた同じ年、パウロは皇帝ネロにより、拷問を受け……殉教しました。残念。
しかし、パウロは同じ手紙の中に、確信を込めてこう書いています。
「私は戦いを立派に戦い、走路を最後まで走り、信仰を守り通しました。今から後、義の冠が私の為に定め置かれています。それは義なる審判者である主が、かの日に報いとして私に与えて下さるものです」テモテへの手紙第二4:7~8
殉教後、大好きなイエスからご褒美の冠が与えられるのを楽しみにしていたのですね。
信仰の戦い立派でした。パウロお疲れ様でした。
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