第191話 パウロ 陰謀
サンヘドリンから避難したその夜、パウロの元にイエスが現れます。
イエスはパウロが落胆しているのを知り、元気づけるために、現れたのです。
「勇気を出しなさい!あなたは私についてエルサレムで徹底的に知らせて来ました。同じようにローマでも知らせなければなりません!」
パウロはイエスに誉められました。よくやったね、パウロ。徹底的に知らせたとイエス様に認められたんですよ。しかもローマにも行けと言われました。
エルサレムでは死なないという保証の言葉です。パウロは元気回復。
その頃、40人以上のユダヤ人が陰謀を企んでいました。しかもパウロを殺すまでは食べたり飲んだりしないと誓ってもいます。
この計画を祭司長と年長者に知らせます。パウロに関する件でもっと調べたいから、その名目でパウロをサンヘドリンに向かわせて欲しいというものです。
その途中で待ち伏せし、パウロを襲って殺すのだと言いました。祭司長たちは合点承知の助。
しかし、この計画を聞いていたある者がいました。パウロの甥っ子です。パウロの姉の子でまだ子供です。
甥っ子は勇気を出してパウロの元に行きました。兵営に入り、パウロに伝えると、パウロはこの若者を軍司令官の所に行かせて欲しいと、士官に頼みます。
士官は言われた通りにします。甥っ子は勇気を持って軍司令官に全ての陰謀を話します。
軍司令官はローマ人殺害の責任を負わされたくありません。すぐに手紙を書きます。
そして、兵士200人、騎兵70人、槍兵200人を護衛部隊として組織させ、夜九時にパウロをカエサレアに安全に連れて行く事を命じました。
カエサレア……ローマ行政中心の都市。そこにはローマ総督フェリクスがいます。自分の力では扱えない問題を総督に引き渡すのです。
手紙にはこうあります。
『クラウディウス・ルシアスから
総督フェリクス様へ
この男はユダヤ人に捕らえられ、殺されるところでした。ローマ市民だと知りましたので、兵士たちを連れて急行し救出しました。私はユダヤ人が彼を訴える理由を知りたいと思い、彼をサンヘドリンに連れて行きました。そしてこの男がユダヤ人の律法上の問題で訴えられているのであって、死刑や拘禁に値する事柄で告発されているのではないことを知りました。しかし、この男に対する陰謀が私に知らされましたので、直ちに彼をあなたの元にお送りして、告訴人たちはあなたの前で訴えるようにと命じる次第です』
軍司令官にクラウディウス・ルシアスも人の子です。上司を頼っている事がよく分かります。ビミョーに自分の手柄を書いています。笑
安全に連れて来られたパウロ。総督フェリクスは手紙を読み終わると、
「告訴人たちも到着したら、あなたの言い分を詳しく聞こう!」
と、パウロをヘロデ宮殿内に置いて監視します。
五日後、大祭司アナニアと数人の長老、テルトロという弁士が総督に訴える為に到着。
ここまで神様がパウロの身を守り、ローマまで運ばれましたね。このあとも神様の介入があるのでしょうか?
パウロはどうなるでしょうか。がんばれー!
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