第188話 パウロ 第三回宣教旅行 2
エフェソスで暴徒化したユダヤ人から逃げて、パウロはマケドニアに旅立ちます。エフェソスのクリスチャンは、とにかくパウロを守りきりました。アッパレ。
半年間「その地の者たちを多くの言葉で励まし」たパウロ。マケドニアでも弟子を増やします。
マケドニアからコリントへ、コリントからシリアに向かいますが、船に乗る寸前、陰謀が巡らされた事を知り、海路を止め、陸路に変更。
パウロ宣教団は寄付金をエルサレムに運ぶ務めもありました。盗賊に注意。宿屋も危険。
同行者、アリスタルコ、ガイオ、セクンド、ソパテロ、テキコ、トロフィモ、そしてテモテは慎重に旅を続けます。
フィリピから船に乗ってトロアスに着きます。
七日間滞在したトロアスでの最後の講話の日、事件が起きました。
パウロが真夜中まで講話をしていると、突然視界からユテコという名の若者が消えます。彼は窓の所でパウロの話を聞いていました。
その当時、窓にはガラスなんてありません。ユテコは窓枠に座る形で話を聞いていたのでしょう。
あろうことか、居眠りをして……落ちます。
三階です。真っ先に医者のルカがユテコに駆け寄ります。残念な事に即死。
パウロはどうするでしょうか?真夜中まで話をしたパウロのせいでしょうか?
パウロはユテコを抱き上げ……復活させました。イエスとぺテロにしかなかった生き返らせる力を神様に与えられたのです。
神が認めた男、パウロへの信頼が強まります。
朝、パウロ宣教団はペンテコステの祭りに間に合うように、エルサレムへ向かいます。
目指すはエルサレム。トロアスからアソス、ミテレネ、キオス、サモスを経由しミレトス港に入りました。
そこで、パウロはエフェソス会衆の長老たちに使いを送ります。
エフェソスの長老たちは、50キロ離れたミレトス港にいるパウロの元へ集まりました。
パウロはエフェソスの長老たちに最後の説教。
「あなたの地に足を踏み入れた最初の日から、どのようにあなた方といたか知っています。……私に降りかかる試練の中で、私は主のために奴隷として仕えました。……ユダヤ人にもギリシャ人にも徹底的に証しをしたのです!……徹底的に証しをすることを全うできさえすれば、私は自分の魂を少しも惜しいとは思いません!」
パウロかっこいい。自分の命をかけて証ししたのです。エフェソスで三年間やりきったのです。
パウロはこのあと、長老たちに弟子を強め、守るように指示しました。合点承知の助。そして、
「皆さんが、神の惜しみない親切の言葉によって守られますように!……私は誰の銀や金や服も欲しがった事はありません。私が、自分と同行者の生活のためにこの手で働いた事を、皆さんは知っています。私はこのように真面目に働いて弱い人たちを援助し、イエスご自身が述べた『受けるより与える方が幸福である』という言葉を覚えておかなければならない事を、あらゆる点で皆さんに示しました!」
パウロはそう語ると、ひざまずいて祈ります。
エフェソスの長老たちは涙を流し、パウロを抱き締めて優しく口づけしました。
パウロが、もう私の顔を見ることはないと語ったからです。
パウロの純粋な弟子を思う愛、利他的な精神に感謝したかったのでしょう。
エフェソスのために命をかけたパウロを、多くの人が慕い……愛しました。
ハナスもその場にいたらハグしてチューします。別れは淋しいものですね。
パウロと宣教団は後ろ髪をひかれる思いで、船に乗ります。
さあ、エルサレムへの旅立ちです。
がんばれー、パウロ宣教団。←命名♡乃々沢様
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