第187話 パウロ 第三回宣教旅行
パウロは、エフェソスという小アジア西部の主要都市に向かいます。
エフェソスは人口25万人商業都市。有名なアルテミス神殿があり、宗教もたくさんあります。
パウロが到着する前、アポロというユダヤ人が会堂で話していました。アレクサンドリア出身のアポロは聖書に通じ、霊に燃えて教えます。
パウロに同行したアクラとプリスキラ夫婦は、
「アポロって雄弁だけど、知識ないね」って突っ込んで、家に連れてきました。
アポロは謙遜に二人から神の教えを受けます。
「ユダヤ人の誤りを熱烈な態度で、徹底的に証明し、イエスがキリストである事を聖書から論証したのである」使徒たちの活動18:27~28
謙遜な人は神様からも愛されます。パウロにも認められて、奉仕の特権を与えられました。
パウロも会堂で話しますが、反対が強くなり、場所を学校の講堂に移します。
午前11時から午後4時まで、ひたすら教えます。もちろん無償。朝早く起きて天幕作りに精を出し、11時に間に合わせます。
神様はそんな勤勉なパウロに報いを与えます。パウロの汗で濡れた布切れとエプロンをクリーニングに出し……ません。その布切れで病人を癒し、邪悪な霊を追い出すために使いました。
パウロが講堂で教えている間、仲間がパウロの布切れで病人を癒すのです。臭くない?
そんな奇跡を見ていた人のなかに、真似する者が出てきました。悪霊を追い出す事を仕事にしていたスケワの七人息子たちです。
試しにパウロの真似をして、成功すればお金儲けが出来ますね。イエスとパウロの名を唱えて悪霊を追い出そうとします。
「わたしはイエスを知っているし、パウロとも面識がある。だが、お前たちは何者だ!」
悪霊はめっちゃキレて問いただします。ガクブル。
悪霊はイエスとパウロを怖れています。スケワの息子たちは偽霊媒師なので、神から力を与えられない事を知っているのです。
人間の体に憑いて、スケワの息子たちに襲いかかり、傷付け丸裸にしました。かわいそう。
この事を知ったエフェソスの人たちは、パウロの神を恐れて心霊術的な慣行を止め、魔術に関する本や物品を燃やしました。お金にすると銀五万枚分、現在通貨なら三百万円にはなるでしょう。
エフェソスの人々の多くがクリスチャンになりました。悪魔も激怒、もっと激怒している輩がいます。
銀細工人デメテリオです。偶像を作り、売っていた職人たちはパウロのせいで、稼げません。
「偉大なのは女神アルテミス、エフェソス人の女神アルテミス」と国家主義に訴え群衆を暴徒化させて、パウロを襲わせます。
パウロは、群衆を説得しようと思いますが、ユダヤ人のアレクサンデルに止められ断念。
暴徒は市の記録官によって静まりました。ローマの憤りを招くことは賢明ではありません。
何より、エフェソスの役人たちは、パウロの行いに敬意を持っていたからでしょう。普段の真面目なパウロを知っているからです。
パウロの行く手には必ず、敵の策略があります。心霊術や暴徒による邪魔ばかりです。
キリストの敵は、悪魔の精神を表す者たちですから仕方ありません。
パウロが伝えたいのは、イエスが天に復活しておられる事です。その事を知られたくない者たちとの闘いはまだ続きます。
次の都市はマケドニアです。パウロがんばれー!
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