第161話 エレミヤ バビロン捕囚 希望の音信

 エレミヤの警告を無視した王様と、その支配を受けたユダの民に悲劇が襲います。


 バビロン捕囚――英語ではEXILEです。追放者や亡命者を意味します。あっ、EXILEの「Ti Amo」好きだった、私。エレミヤはこの曲を知ってか、知らずかこんな気持ちで同胞に預言を語ってました。いや、絶対知らん。


「あなたの神に帰れ。悔い改めて神の元に戻りなさい!そうすれば――」神の言葉を聞いて生きる事を願ったのです。困難な状況になることを嘆き、同国人に対する深い愛から殴られても、唾をかけられても、ムチ打たれても叫んだのです。


「♪ど~れだけの想いならば、愛と呼んでいいのでしょうか?この胸をしめつける気持ちに~名前を下さい~♪キスを……」エレミヤ苦しいね。


 バビロン捕囚も段階的に行われました。あの顔でかネブカドネザル君は、まずユダ王国を属国としたとき、ダニエルを連れて行きました。西暦前605年頃です。エリート少年をさらいます。


 その後、西暦前597年、ユダ王国エホヤキン王と上層階級3023人とその家族、木工職、鍛冶職人一万人を捕囚です。貧しい者は残します。バビロニア帝国の為に必要な人材だけを連れて行きます。神殿は焼かれ、財産を略奪されます。


 う~ん、私は残されるね。手に職ないし、ネブカドネザル君ってバカにしてるし。もう52歳でお役に立たないし、自虐。


 残された者は、もっと苦しみます。飢餓ゆえに、女達が、自分の子供を鍋で煮て食べるとエレミヤが預言した通りです。ヤバい。私には耐えられない。なら、私を食べて!いい出汁出ます。


 西暦前586年、ゼデキヤ王がエレミヤの言うことを聞かず、バビロンに反抗しまくり捕囚。途中で逃げたゼデキヤ王は、目の前で自分の子供を殺され、目をえぐられ、足かせをかけられてバビロンに連行されます。大人しくしていれば、子供達が死なずに済んだのに!エレミヤ激怒。


 エルサレムの全てを焼かれ、城壁破壊され、老若男女虐殺されました。廃墟の町エルサレム。エレミヤは虐殺される人たちの叫び声が耳から離れず、苦しんだと思います。


 ユダ国民はヨシヤ王の死後、優柔不断で邪悪な王たちのせいで……ひどい目に遇いました。


 あんなにエレミヤが命を懸けて、警告したのに。無視するからいけないんだ。死んだ者、バビロン連れて行かれる道中、処刑された者、バビロン捕囚で生き残った者。いずれにしてもユダに対する厳しい処罰です。


 神はバビロニア人を懲罰を加えるための道具として使ったのです。モーセの律法に従わなかった民の罪です。神との契約を忘れたユダの民。残念。


「♪この罪を背負いながら、生きてく覚悟は出来てる。キスを……♪Ti Amo」


 しかし、エレミヤはこのユダ国民に対して、希望の音信も伝えてました。

「この土地全体は荒れ果て、恐怖の光景となり、これらの国の人々は70年の間、バビロンの王に仕えなければならない」エレミヤ25:11

「バビロンで70年が満了したらあなたたちに注意を向ける。私の約束を果たし、あなたたちをこの場所に連れ戻す」29:10


 流刑生活70年です。捕囚のユダ国民は70年で故郷に戻れるという約束です。


 ジジババ死んじゃいますけどね。(怒) ダニエルだって民族解放令発令の時、90代でした。帰還を断念したこと、皆さま覚えておられますよね‼


 しかし、国民としては希望の音信です。バビロン捕囚からの解放のあと、ユダ国民はユダヤ人と呼ばれるようになりました。


 あっ、そういえば、エレミヤはどうしたのでしょう。一緒にバビロンに連れて行かれたのでしょうか?預言者として頑張ったエレミヤに神は祝福を与えたのでしょうか?エレミヤがんばれー!


 

 

 

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