第149話 ヨブ 自然界の神の力

 ヨブはエリフの言葉が心に刺さり、自己吟味をした事でしょう。悔い改めモードに入ろうとした時、風嵐の中から声がしました。神様です。


「知らないのに言葉を発し、私の考えを覆い隠しているのは誰か?男らしく私の問いに向き合ってみなさい!私はあなたに質問しよう。あなたは私に答えなさい!」ヨブ記38:1~2


 私、女の子で良かった!ほっ。ヨブは大丈夫でしょうか?聞く準備出来てるようです。神様、どうぞ質問してください。私も答えます。


「私が地の土台をすえた時、あなたはどこにいたか?分かるなら言ってみなさい。その土台を支える物は何か、誰が隅の親石をすえたか、知っているなら言ってみなさい!」


 地球が出来た時にどこにいたか聞いてます。ヨブも私も姿形もありません。残念です。


「あなたは雪の倉に行ったことがあるか?雹が造られ蓄えられる場所を見たことがあるか?私は戦いと戦争の日のために蓄えている」


 あー、やっぱり。そういえば、ヨシュアに勝利させた時、5人の王様雹で殺しましたものね。神様の武器倉庫ですね。神様、怖いんですけど!


「雨には父親がいるか?露を生じさせたのは誰か?氷は誰の腹から出てきたのか?声をあげて雲に話しかけ、雨を洪水のように降らせる事が出来るか?稲妻を送り出す事が出来るか?」


 はい、出来ません!いや、声をあげて話しかける事は出来ますが、きっと通報されます、私。けど、神様には感謝してるんですよ。稲妻のおかげで、土地には窒素が与えられるんですものね。豆類は栄養豊かになりますし、なんたって「稲」に必要だから「稲妻」ですもの。今年もお米が美味しいかしら。あっ、そろそろ買わなきゃ。


「あなたはキマ星座を結び合わせておけるか?ケシル星座の綱をほどく事が出来るか?あなたは季節に沿って星座を引き出す事が出来るか?アシ星座とその子たちを導く事が出来るか?あなたは天体を統御する法則を知っているか?」


 夜空の星も神様の作品でしたね。キマ星座とはおうし座の事ですね。あれって星同士が結びあってるんですね。ケシル星座はオリオン座、あの三ツ星もほどけたら、素敵です。季節ごとに星空を変えて下さりありがとうございます。宇宙の法則は、引力が関係していると聞きました。きっとそれだけじゃないと思います。神様、ごめんなさい。私、科学は苦手なので、ヨブに聞いて下さい。えっ、まだ質問続きますか?


 ちょっと待って下さい。私が答える間、ヨブは居眠りしてました。あっ、起きてた?ごめん。腫れ物で目が閉じてるように見えました。


 さあ、神様、質問の続きをどうぞ。


 


 

 

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