第148話 エリフの言葉

 ヨブが神よりも自分を正しいと主張し、そのヨブに言い返せなかった三人の友の前に、突然現れた人物がいます。

「ラム族のブス人バラクエルの子、エリフが怒りを燃やした」ヨブ記32:2

 

 エリフです。しかもめっちゃお怒りモード。神と会話をしたかったヨブは、えっ👀⁉となった事でしょう。


 ブス人の祖先はアブラハムの弟ナホルです。なのでエリフとヨブはこれまた親戚関係です。


 エリフの発言は、三人の友とヨブの会話を全て聞いてからのものです。みんな自分より年上だから、意見を述べる事を控えていたと謙遜に話はじめます。


「ただ年を取れば賢くなるのでも、正しい事を理解するものでもありません!私に語らせて下さい。私は唇を開いて答えましょう!」


 エリフ、謙遜じゃない。敬意を込めて話しますが、四人をお馬鹿扱いしてますね。まず、ヨブを戒めます。

「『神は私に足枷をはめ、私がどこにいても監視する』あなたがそう言ったのは正しくありません。どうして神に不満を述べるのですか?ヨブ!言いたい事があるなら、私に言って下さい。真の神が悪を行ったり、全能者が不正を行ったりすることなどあり得ません。神は絶対に悪を行わず公正を曲げません!」


 エリフはヨブが神を冒涜したと思って、戒めを与えました。まだ続きます。


「ヨブ、あなたが神は何もしてくれないと不平を言うなら、神は決してあなたの祈りを聞かれません。神は悪人を生かしておくことはせず、神に従わない人は剣によって滅びます!それで憤りのままに恨みを抱くことがないように気を付けて下さい!」


 戒めと言うより脅しですね。神様に恨みを持ったら死にますよ!って言っています。


 エリフの名前には「彼は神である」という意味があります。どうりで神様みたいな話し方ですね。さらにヨブに追い討ちをかけます。


「神の行いを讃える事を忘れないで下さい。ヨブ、いま一度、神の素晴らしい偉業についてじっくり考えて下さい。――神がどのように雲を操るか知っていますか?どのように稲妻を雲から放つのか知っていますか?南風が吹いて大地が静まる時、衣服が熱くなるのはなぜですか?神と共に大空を張り伸ばす事が出来ますか?――全能者を理解することなど、私たちには到底出出来ません!それで人は神を畏れなければなりません。神は、自分が賢いと思っている人に好意を示す事はありません!」


 神はヨブに好意を持っていないのだと、遠回しに述べていますね。厳しいです。


 エリフは、苦難は、因果応報の思想ではなく、神の警告であるということ、また人間が導き出し得る最高の知恵ですら、人間を苦難の恐れと不安から解放することは出来ないということを言いたかったのです。


 最後に、生きた神と出会うことだけが人間全ての問題に答えを与えるものであると述べました。


 ハナスは????です。が、ヨブはエリフの言葉の真意が分かったようです。

  

 そして、ついにヨブが望んだ事が起きます!ヨブ、がんばれー!


 

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